はまなす行政書士事務所
行政書士 角屋敦士
66. 欠席連絡を受けただけで加算を付けていませんか――相談援助と請求判断を分ける
専門記事・実務研究|障害福祉・児童発達支援
作成・参考資料確認日:2026年9月29日
「今日休みます」「分かりました」という受付記録と、欠席時対応加算の根拠になる相談援助の記録は同じではありません。児童発達支援・放課後等デイサービスを念頭に、連絡の受付から月末の請求確認まで、現場で無理なく照合する方法を整理します。
この記事で確認すること
1. 最初に「欠席した日」と「対応した日」を分ける
2. 相談援助は、子どもと家庭の状況に応じて行う
3. 一度の連絡を、欠席日数分の実績に増やさない
4. 受付担当と請求担当が同じ資料を見られるようにする
5. 過去の記録に不足が見つかったときの順序
6. 相談時には、個人情報を絞った一件分から
実務で使う確認表
| 確認するもの | 点検の視点 |
|---|---|
| 利用予定 | 当初の予定と中止した日を照合 |
| 連絡・相談 | 日時、理由、実際の援助内容を分けて記録 |
| 回数 | 一回の対応を複数日に複製していないか |
| 請求 | 要件を確認した担当者と根拠資料を残す |
最初に「欠席した日」と「対応した日」を分ける
利用予定日、欠席連絡を受けた日時、相談援助を実施した日時を別々に記録します。予定表の欠席マークだけでは、いつ、誰が、どのような事情を聞き、何を支援したかを確認できません。利用予定そのものがあったか、予定変更と急な欠席のどちらなのかも、元の予約記録と照合します。
堺市の障害児通所支援のQ&Aでは、急病等のやむを得ない欠席について、前々日・前日・当日の連絡と相談援助を算定上の確認点とし、私用による欠席を対象としていません。連絡時期だけで判断せず、対象サービス、欠席理由、相談援助、回数制限等を現行の通知と指定権者の取扱いで確認します。
相談援助は、子どもと家庭の状況に応じて行う
欠席理由を聞いた後は、次回の利用に向けて何を確認する必要があるかを考えます。家庭が気にしていること、事業所で調整できること、次回連絡の時期など、実際にやり取りした内容を記録します。「利用を促した」と定型文だけを残しても、その家庭に対して行った支援が伝わりません。
例えば体調不良の連絡があった際、保護者が次回の参加を心配しているなら、事業所の受入方針を説明し、回復状況をいつ確認するかを相談します。これは記録の組み立て例であり、この対応だけで算定できるという意味ではありません。診断や服薬の指示はせず、必要な医療判断は医療機関につなぎます。
一度の連絡を、欠席日数分の実績に増やさない
「今週は3回とも休みます」という一度の連絡を受け、3日分の同じ相談記録を複製すると、実施していない対応まで行ったように見えてしまいます。堺市の運営指導資料でも、一回の連絡調整で複数の利用中止を調整した場合に、複数回算定する取扱いが指摘されています。
記録には対象となった利用予定日を複数書いても、対応行為は一回として識別します。後日別の相談援助を実施した場合は、その日付と内容を別に残し、算定可否を改めて確認します。算定のためだけに不要な連絡を増やすのではなく、家庭への支援上の必要性から対応を決めます。
受付担当と請求担当が同じ資料を見られるようにする
記録欄は「予定日・連絡日時・相手・理由と状況・相談内容・次の対応・担当者」を基本にすると、事実を追いやすくなります。請求担当はこの記録を見て、予定表、実績記録、加算の対象回数等と照合します。算定済みか確認中かを分け、未確認のものが自動的に請求に流れないようにします。
電話を受けた職員が短時間勤務でも、内容を管理者だけの口頭記憶に置かないことが大切です。記録できなかった場合は、後から確認した事実と記入日を明記します。行っていない相談援助を追記したり、記入日を対応日に見せかけたりする修正はしません。
過去の記録に不足が見つかったときの順序
まず対象月と件数を絞り、実際の対応があったのに記録が不足しているのか、対応自体がなかったのかを分けます。電話記録や担当者のメモなど、当時の資料を保全します。「全件問題なし」とも「全件返還」とも先に決めず、事実と要件の不足を一覧にします。
算定誤りが疑われるものは管理者へ共有し、指定権者等に相談して訂正・過誤調整など必要な対応を確認します。過去の請求との整合を取るために支援記録を書き換える方法は取りません。利用者負担や説明への影響がある場合も、確認した手順に沿って整理します。
相談時には、個人情報を絞った一件分から
最初の確認には、対象サービス、利用予定表、匿名化した欠席時の記録、請求上の扱いが分かる資料が役立ちます。子どもの診療情報を必要以上に集めるより、どの要件について判断が止まっているかを明らかにする方が、確認の負担を減らせます。
当事務所では、相談援助の実態を伝える記録様式や、記録と届出・請求確認をつなぐ運用の整理を支援します。実際の算定可否は、最新の法令・通知と指定権者の運用、個々の支援事実に基づく確認が必要です。記事中の確認表は内部点検の提案であり、公式の算定判定表ではありません。
根拠・参考資料
制度の説明と実務上の整理方法の提案を分けて記載しています。架空例は説明のためのもので、当事務所の受任実績ではありません。実際の対応は最新の法令・通知・自治体や提出先の運用と個別事情を確認して判断します。
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