はまなす行政書士事務所

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20. 死後の部屋の片付けや契約解約を誰に頼むか――終活で決めておきたい権限と費用

専門記事・実務研究 | 参考資料確認日・更新日:2026年9月28日

葬儀を頼む人が、賃貸住宅やデジタル契約まで処理できるとは限りません。死後事務、相続、賃貸借、遺品の扱いを分け、実行できる準備を考えます。

この記事の内容
1. 困りごと:「亡くなったら全部お願い」で準備を終えてしまう
2. 最初に、死後の作業を三つに分ける
3. 賃貸住宅では、解約と残置物の扱いを別に検討する
4. 残す物、引き渡す物、処分を検討する物を見える化する
5. デジタル契約は、パスワード一覧より契約一覧から
6. 準備が整ったかを確かめる、引継ぎの点検
7. 費用と、受任者が対応できなくなった場合を決める

困りごと:「亡くなったら全部お願い」で準備を終えてしまう

一人暮らしの人が知人に「何かあったら片付けをお願い」と伝えている。しかし、家賃の支払、部屋の明渡し、遺品の引渡し、携帯電話等の解約については決めていない。頼まれた人も、何をどこまでできるか分からない。これは終活の準備を考えるための想定例です。

口頭のお願いやエンディングノートは意思を伝える手掛かりになりますが、それだけで各手続の権限や必要書類が整うとは限りません。作業を分け、実行する根拠を確認する必要があります。

最初に、死後の作業を三つに分ける

第一は葬儀・納骨や関係者への連絡などの事務、第二は賃貸借やサービス契約の終了に関する手続、第三は財産の承継・分配です。実際には重なる部分がありますが、まとめて「片付け」と呼ぶと権限が曖昧になります。

死後事務を受任する人が、当然にすべての相続財産を処分できるわけではありません。遺言執行者、相続人、死後事務の受任者など、役割ごとにできることと連携が必要なことを整理します。

賃貸住宅では、解約と残置物の扱いを別に検討する

国土交通省と法務省は、単身高齢者の死亡後の契約関係や残置物の処理に関するモデル契約条項を公表しています。単に大家や知人へ処分を頼むのではなく、賃貸借契約の解除に関する事務と、残置物に関する事務の範囲を検討する考え方が示されています。

モデル条項を使えば個別の確認が不要になるわけではありません。契約当事者、受任者の適格性、処理時期、相続人との関係、保管・引渡しを希望する物、費用負担を確認します。本人の事情に合わないひな形をそのまま転記することは避けます。

残す物、引き渡す物、処分を検討する物を見える化する

遺品は、生活用品、重要書類、貴重品、思い出の品、第三者から預かった物などに分けます。誰へ渡したいかという希望と、法的にその人へ渡せるかは別に検討します。財産を承継させる希望は遺言等との整合性を確認します。

一覧には保管場所、写真、引渡し希望先、連絡方法を記載し、定期的に見直します。契約や相続関係が未確認のまま一括廃棄すると、権利や資料を失うおそれがあります。死亡後に対応を始める場合も、権限と関係者の意向を確認する前に処分を急がないことが重要です。

デジタル契約は、パスワード一覧より契約一覧から

携帯電話、通信回線、定額サービス、クラウド、ネット金融サービス等は、契約先、名義、支払方法、問い合わせ先を整理します。端末やメールを解約すると、ほかの手続に必要な連絡・確認が難しくなる場合があるため、解約の順番も検討します。

IDやパスワードを知っていても、契約上の権限が当然に得られるわけではありません。各社の死亡時の手続、必要書類、データの扱いを確認します。秘密情報は広く共有せず、安全な保管と、必要時に適切な人が確認できる方法を考えます。

準備が整ったかを確かめる、引継ぎの点検

受任者の立場で、本人の死亡をどう知るか、最初に誰へ連絡するか、契約書はどこにあるか、費用はどこから支出するか、作業後に誰へ報告するかを順に確認します。一つでも答えが曖昧なら、その箇所を契約や運用で補う必要があります。

家賃や定額サービスの停止を急ぐ一方で、必要な資料まで失わないようにします。相続放棄等を検討する事情がある場合には、財産の処分に進む前に弁護士・司法書士等へ相談してください。終活の準備では、手順と権限をそろえることが、頼まれる人の負担軽減にもつながります。

費用と、受任者が対応できなくなった場合を決める

見積りでは、作業ごとの費用、実費、預り金の管理、追加費用の条件、残金の扱い、実施結果の報告先を確認します。受任者が先に亡くなる、廃業する、遠方へ転居するなどの場合の対応も必要です。契約を結んだ後の点検が、実行可能性を支えます。

当事務所では、終活上の希望、契約・財産の一覧、死後事務の範囲を整理し、必要な書類の準備を支援します。紛争、登記、税務、不動産取引等はそれぞれの専門職・事業者と連携します。相談時には、住まいの契約、頼める人、残したい物、現在の契約一覧をご準備ください。

参考資料と適用上の留意点

法務省:残置物の処理等に関するモデル契約条項

国土交通省:残置物の処理等に関するモデル契約条項

本記事は一般的な制度・実務上の整理です。本文の想定例や記録項目は当事務所での実績・法定様式を示すものではありません。個別の対応では最新法令・通知・自治体運用・契約内容と具体的事情の確認が必要です。

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