はまなす行政書士事務所
行政書士 角屋敦士
23. 資格を持つ人がいれば足りる?――営業所技術者等の資格・経験・勤務実態を確認する
専門記事・実務研究|建設業の許認可・運営
作成・参考資料確認日:2026年9月28日
採用予定者の資格証を見ただけで許可申請を進めると、担当できる業種や経験期間の確認が後回しになります。人、業種、資料、配置を一緒に点検します。
この記事の内容
1. 資格名を聞くだけで判断しない
2. 業種ごとの対応表にする
3. 資料の役割を混同しない
4. 勤務実態と現場配置は別に点検する
5. 採用前に確認しておくこと
6. 実務チェックとQ&A
資格名を聞くだけで判断しない
「施工管理の資格があります」と言われても、級、種目、種別、第一次・第二次検定の別などを確認しなければ、どの許可業種に対応するかは判断できません。通称で記録せず、資格証等に記載された正式名称と取得年月日を確認します。
営業所技術者等は、一般建設業の営業所技術者と特定建設業の特定営業所技術者をまとめた呼称です。一般と特定で条件が異なり、資格に加えて実務経験の確認が必要な経路もあります。資格表の脚注まで含めた照合が必要です。
業種ごとの対応表にする
社内表は、一行を一つの許可業種とし、「担当予定者」「資格の正式名称」「必要な経験の有無」「証明資料」「常勤開始予定日」を並べます。一人が複数業種を担当する場合も、それぞれを満たすか確認します。
「建設業の経験10年」を、そのまますべての業種の経験に置き換えないでください。工事の内容、関わった時期、所属先を追える資料が必要です。複数業種の経験期間の扱いや、資格取得前後の数え方にも条件があります。
資料の役割を混同しない
資格証は資格の種類を、在籍関係の資料はその会社にいたことを、工事関係の資料は工事の内容と期間を示します。一つの資料で全部を証明しようとせず、証明したい事実ごとに並べます。
工事名が「改修工事一式」だけの場合、明細や図面などで内容を確かめます。資料が足りないときは、その資料で認められると決めつけず、申請先が必要とする確認方法を聞きます。履歴書だけでの見切り発車を防ぐための作業です。
勤務実態と現場配置は別に点検する
資格条件を満たしても、営業所で職務を担える体制がなければ十分ではありません。他社との兼務、通勤・勤務の実態、他の営業所での役割などを確認します。名前だけを置くことはできません。
営業所技術者等と現場の主任技術者・監理技術者の兼務には要件があります。「同じ会社の社員だから兼務できる」と判断せず、工事の規模・場所・配置条件を現行の監理技術者制度と照合してください。本記事は兼務の適否を一律に判定するものではありません。
採用前に確認しておくこと
候補者の了承を得て資格・経歴の確認を行い、証明に協力できる前勤務先や資料の有無を確認します。許可申請を急ぐあまり、退職・入社の時期だけ先に確定すると調整しにくくなります。
資格証等の個人情報は、用途と受渡し方法を決めて扱います。当事務所では、取得したい業種と候補者の資料を対応させ、申請前に不足が見える状態へ整理します。施工や技術上の安全判断そのものは担当技術者の職務です。
実務チェックとQ&A
□ 資格証の正式名称・取得年月日・対象業種を確認したか。
□ 実務経験が必要な場合、その内容と期間の資料があるか。
□ 現在と就任後の勤務・兼務・現場配置を確認したか。
Q. 同じ資格を持つ後任なら、そのまま交代できますか。
A. 資格名だけでは判断できません。担当する全業種に対応するか、経験条件、常勤性、就任日、現在の配置がどうなるかを確認します。証明資料が異なる場合もあるため、退職手続と並行して許可の変更準備を進めます。
人材の条件を業種別に可視化すると、採用や異動の予定と許可申請の予定がつながります。
根拠・参考資料
関東地方整備局「建設業許可申請の手引き」適正な経営体制・営業所技術者等
全国制度を基本とし、書類や期限の具体例は大阪府知事許可を中心に整理しています。法令・通知・申請先の最新運用と個別の契約・事実関係によって結論が異なります。記載した社内管理の手順は実務上の提案です。
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自社の状況を整理して相談する
初回は、主な工事、営業所の市区町村、現在の許可、希望時期や困っている点をお知らせください。資格証・通帳等の画像は、受渡し方法をご案内してからお送りください。