はまなす行政書士事務所

行政書士 角屋敦士

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46. スマホの中の財産と契約を家族に残す――デジタル遺品の一覧と解約の順序

専門記事・実務研究|遺言・相続・終活
作成・参考資料確認日:2026年9月29日

ネット銀行や有料サービスは、紙の通帳や契約書がなくても残ります。端末のロック解除と相続手続を分け、家族が契約先を見つけられる準備と、死亡後に急いで消さないための順序を整理します。

「スマホを開けること」と「引き継げること」は違う

国民生活センターは、故人の端末が開けず契約先が分からない、サブスクの請求が続くなどの相談を紹介しています。デジタル終活では、機器へのアクセス方法だけでなく、どのサービスに何があるかを家族が把握できることが重要です。

パスワードが分かっても、家族が本人の代わりに自由に送金・売却できるとは限りません。契約上の手続や相続人・遺言執行者等の権限を確認する必要があります。ロックを回避する方法を探す前に、各サービスの正規の窓口を確認してください。

一覧は「財産・支払・保存したいもの」に分ける

当事務所の整理案は、ネット銀行・証券等の財産、定額サービス等の支払、写真・メール等の保存したい情報の三つに分ける方法です。サービス名、登録者、登録メール、請求の有無、手続窓口、確認日を一覧にします。分からない欄を空想で埋める必要はありません。

パスワードをこの一覧に無造作に書き、家族全員へメールで配ることは勧めません。一覧と秘密情報の管理を分け、本人が選んだ方法で保管場所と引継ぎ方法を決めます。相談フォームや資料確認のメールに、パスワード・認証コード・暗証番号を送る必要はありません。

生前は、家族に何を頼むかを具体化する

すべての写真やメールを見てほしい人もいれば、一部だけ残してほしい人もいます。「全部任せる」だけでなく、保存したいもの、整理してよいもの、連絡してほしい相手を整理してください。遺言や死後事務の契約が必要な事項とは区別し、希望メモだけで法的な権限が生じると考えないようにします。

サービスに家族への引継ぎ機能等がある場合は、本人が内容と対象範囲を確認して設定します。提供内容は変わるため、設定した日と確認した案内を記録しておくと、後の見直しに役立ちます。

死亡後は、証拠を残してから解約を検討する

故人宛てのメール、請求明細、取引の通知、端末に残るアプリの名称が、契約先を知る手掛かりになります。適切な権限と範囲で資料を保全し、照会する事業者を整理します。スマホの初期化やメールアカウントの削除を先に進めると、確認に必要な情報を失うおそれがあります。

回線を残せばすべて解決するわけではなく、料金も発生し得ます。回線・メールの解約前に、他サービスの手続に使っているかを確認し、各窓口に必要書類と処理順序を問い合わせることを提案します。不要な契約を放置し続けるのではなく、確認期限を決めて管理します。

遺族が使える進捗表を作る

一覧には「照会前・回答待ち・書類提出済み・完了」の状態、窓口、受付番号、次の対応日を加えます。完了したら、残高の移転先、解約日、最終請求、受領した書類を残します。複数の家族が同じ窓口へ異なる説明をしないよう、連絡担当を決めると進めやすくなります。

架空例として、通帳に不明な月額引落しがあった場合、まず明細から請求元を特定し、契約者とサービス内容を照会します。「アプリを削除したから解約済み」と判断せず、事業者の回答と解約完了の記録を確認します。

相談できることと、専門家へ分けること

当事務所では、契約先・財産の一覧化や、遺言・死後事務に関する書類と希望の整理を支援します。相談時には、秘密情報を除いたサービス名の一覧、手続が止まった理由、事業者からの案内をお知らせください。端末の解除や技術的なデータ復旧を引き受けるものではありません。

財産の帰属や家族間の争いは弁護士、税務判断は税理士など、内容に応じて相談先を分けます。サービスの解約、財産の相続、思い出の保存を分けて整理することで、家族が次に何をするかを判断しやすくなります。

根拠・参考資料

国民生活センター「今から考えておきたいデジタル終活」

国民生活センター「始めましょう!デジタル終活」

制度の説明と実務上の整理方法の提案を分けて記載しています。架空例は説明のためのもので、当事務所の受任実績ではありません。実際の対応は最新の法令・通知・自治体や提出先の運用と個別事情を確認して判断します。

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