はまなす行政書士事務所

行政書士 角屋敦士

HOME / 遺言・相続・終活の記事一覧

57. 自宅で遺言書を見つけたら――開封・検認・財産調査を取り違えない

専門記事・実務研究|遺言・相続・終活
作成・参考資料確認日:2026年9月29日

封筒に入った遺言書を見つけても、その場で開封して遺産分けを進めてよいとは限りません。発見時の保全、検認が必要な遺言の区別、相続手続を並行して進める際の注意点を解説します。

実務で使う確認表

発見したもの最初の対応
封印のある遺言書開封せず保管し、家庭裁判所へ確認
開封済みの自筆証書遺言原本を保全し、検認の要否を確認
公正証書遺言公証役場の書面・内容を確認
法務局の保管証死亡後に取得する証明書等を確認

見つけた状態を保つことから始める

封印のある遺言書は、家庭裁判所で相続人等の立会いの上で開封することとされています。中身が気になる場合でも、まず封筒を含めてそのまま保管します。発見した日時・場所・発見者、封筒の表裏や外観を記録し、原本に書き込んだり、付箋を直接強く貼り付けたりしないようにします。

既に開いている書面でも、検認が不要になるわけではありません。封筒と本文をばらばらにせず、ページの順序を保って保管します。複数の遺言らしい文書が見つかった場合は、一つだけ残してほかを捨てず、それぞれの作成日・保管場所を整理してください。

必要なのは「検認かどうか」の確認

自宅保管の自筆証書遺言等では、保管者または発見した相続人が、遺言者の死亡を知った後、遅滞なく家庭裁判所へ検認を請求するのが基本です。一方、公正証書遺言と、法務局保管の自筆証書遺言について交付される遺言書情報証明書には検認が不要です。

「法務局に相談したことがある」「公証役場の封筒に入っている」といった外形だけで方式を決めません。実際の文書の種類、保管証の有無、原本・写しの別を確認します。区別がつかない場合は、書面を処分せず、家庭裁判所や該当する公証役場・法務局へ確認します。

検認は有効性のお墨付きではない

検認は、遺言書の形状、訂正、日付、署名等の状態を明らかにし、偽造・変造を防止する手続です。内容が法的に有効か、遺言者に必要な能力があったか、財産の範囲が正しいかを確定する手続ではありません。「検認済みだから争いは起こらない」と説明することはできません。

逆に、開封済みだから当然に無効、日付が新しいから以前の遺言すべてが当然に無意味、とも一律には判断できません。方式や相互の抵触、有効性に疑いがあるときは、弁護士等へ相談します。遺言内容に不満があることと、無効の原因があることも別の問題です。

裁判所に確認する資料を整理する

申立先は原則として遺言者の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です。裁判所の案内に従い、遺言書、申立書、必要な戸籍等を確認します。相続関係によって戸籍の範囲が違うため、出生から死亡までの連続性と、先に亡くなった親族の有無を整理しておくと確認が進みます。

戸籍が一部そろわない場合の追加提出や必要費用、期日の持参物は、申立先の案内を確認してください。相続人全員が期日に出席しなければ手続ができないわけではありません。予定が合わないことだけを理由に、申立てを放置しないことが大切です。

財産調査と期限管理は並行する

検認を待っている間も、財産・負債の調査や相続放棄、税務、登記等の期限の確認は必要です。検認を申し立てたことによって、ほかの期限が自動的に延びるわけではありません。どの専門家へ、いつまでに確認するかを予定表に記載します。

架空例として、自宅の遺言書と借入先からの通知が同時に見つかった場合、遺言の検認だけを優先して負債の判断を後回しにしないことが重要です。遺産の処分や預金の使用にも注意が必要なため、放棄等を検討する段階では、弁護士・司法書士へ早めに相談します。

当事務所へ相談するときの準備

発見状況のメモ、遺言書の方式が分かる資料、家族関係の概略、判明している財産・負債、急いでいる手続を整理してください。封印された遺言書を、写真送付のために開封する必要はありません。最初は封筒外観と発見状況の説明で構いません。

当事務所では、受任可能な範囲で相続関係・財産資料の整理や、遺言内容を踏まえた手続準備を支援します。家庭裁判所への申立書作成・手続代理や遺言の有効性を争う交渉は扱わず、必要に応じ司法書士・弁護士へつなぎます。

根拠・参考資料

裁判所「遺言書の検認」

制度の説明と実務上の整理方法の提案を分けて記載しています。架空例は説明のためのもので、当事務所の受任実績ではありません。実際の対応は最新の法令・通知・自治体や提出先の運用と個別事情を確認して判断します。

あわせて読みたい記事

06. 公正証書遺言と自筆証書遺言、どう選ぶか――費用だけでは決められない準備の論点

48. 借金があるか分からない相続――財産調査と「3か月」の確認を並行して進める

状況を整理して相談する

困っていること、希望する対応、期限、手元にある資料をお知らせください。フォームとメールのどちらでも相談できます。

添付は任意です。開いたメールでファイルを選択してください。福祉記録の利用者氏名等や、相談に不要な個人情報は伏せてお送りください。

遺言・相続・終活の業務案内 →
料金・相談について →

新規のお客様向け・遺言相続手続30%割引の対象条件 →

割引は当事務所が受任できる対象業務の基本報酬に適用します。裁判手続・登記・税務等を当事務所が代行する案内ではありません。

Is this your new site? Log in to activate admin features and dismiss this message
Log In