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専門記事・実務研究 86|外国人雇用・入管

「技人国」で採用できる仕事をどう説明するか――職務・学歴・事業の実態を結ぶ立証設計

はまなす行政書士事務所 行政書士 角屋敦士
制度確認日:2026年9月30日

外国人を企画担当として採用したい。しかし、求人票には「店舗運営全般」、雇用契約書には「通訳」、現場の予定表にはレジ業務が並ぶ。この食い違いは、文章の言い換えでは解決できません。本稿は「技術・人文知識・国際業務」を中心に、会社が採用前に何を確定し、どの資料で職務を説明するのかを検討します。

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在留資格該当性と本人の要件を分けて読む

最初の論点は、予定する仕事が在留資格の活動範囲に含まれるかという「在留資格該当性」です。次に、本人の学歴・実務経験等と、報酬その他の適用される基準を確認します。大学卒業という事実だけでは、どの仕事でも従事できることにはなりません。反対に、専門的な仕事が存在しても、その応募者について必要な要件を説明できるかは別の問題です。[1][2]

当事務所は、この検討を「職務の内容」「本人との結び付き」「会社が実際にその職務を提供する根拠」の三層に分けます。これは法定の審査順序を示したものではなく、資料間の矛盾を発見するための分析方法です。会社のカテゴリーによる添付資料の省略と、活動そのものの適合性も混同しません。

職務説明書は、肩書ではなく仕事の成果から作る

例えば「海外営業」とだけ記載しても、外国語での注文受付なのか、契約条件の交渉・市場分析・販売戦略の立案なのかが分かりません。担当する顧客、判断する事項、作成する成果物、使用する知識、上司との分担まで具体化します。既存事業なら取引資料や組織図、新規事業なら契約の準備状況や事業計画と結び付けます。

一週間の業務割合は実態を説明する補助資料になりますが、「専門業務が何%なら必ず許可」という独自の合格基準にしてはいけません。繁忙期・閑散期、研修中・配属後で仕事が変わる場合は、それぞれの期間と移行条件を示します。まだ決まっていない業務を、決定済みの事実として申請書に記載しないことが出発点です。

学歴の関連性は、学部名一つで結論を出さない

卒業証明書は修了の事実を示しますが、どの知識を学んだかは成績証明書、履修科目、必要に応じた授業内容の資料で確認します。例えば経済学を専攻した人を販売戦略の分析担当にするなら、分析に使う科目と具体的な担当業務の関係を説明します。関連性の説明が難しいときに、卒業証明書を何枚増やしても論点は解消しません。

大学と日本の専修学校の専門課程では、関連性の取扱いを同一視できません。専門学校卒業者については、専門士・高度専門士、認定された課程に係る取扱いなど、適用される制度を確認します。経験により要件を説明する場合も、勤務先名と年数だけでなく、従事した職務・期間を裏付ける資料が必要です。[2]

2026年の言語能力に関する明確化を見落とさない

2026年4月公表の別紙4は、主に言語能力を用いる対人業務等について、業務上使用する言語のCEFR・B2相当の能力を前提とする考え方を示しています。カテゴリー3・4ではその立証資料の提出が求められ、カテゴリー1・2でも審査過程で求められる場合があります。[3]

ここから「技人国の全職種に一律で日本語試験が必要」と一般化するのは適切ではありません。対象となる業務か、使用言語は何か、どの資料で確認するかを分けます。語学力が十分であっても、職務の専門性や実際の業務量の説明が不要になるわけではありません。代表者に関する申告書等も含め、古い社内チェックリストを使い続けず、申請区分ごとの現行案内を照合します。[1]

想定例:海外向け企画担当が、開店準備の人員になっている

海外販売を始める小売会社が企画担当を採用する想定です。会社には海外向けの商品説明案はありますが、仕入先・販売先・企画業務の分担が未確定で、現場は当面の品出し要員を期待しています。この段階で「企画が主業務」と書き切るのは、予定と実態を混同する処理です。

確認すべきなのは、専門業務をいつ、どれだけ、誰の責任で開始するのかです。企画担当の仕事が実在するよう事業計画と人員配置を整える、採用時期を調整する、別の制度が適合するか検討する、という選択肢を比較します。研修名目であれば何でも認められるとは考えず、研修の必要性・期間・終了後の配置との一貫性を検討します。これは許否の予測事例ではなく、判断材料を不足させないための想定例です。

説明資料に矛盾があるときの修正順序

まず求人票・契約書・配属予定を同じ担当者が並べ、実態について採用担当と現場責任者の合意を取ります。次に本人の資料と照合し、不足する根拠を特定します。その後に説明書を作成し、本人が理解できる方法で職務と条件を確認します。提出直前には、説明書の各記載がどの資料・担当者の確認に基づくかを追えるようにします。

既に提出した内容に変更が生じた場合は、変更後の事実と発生日を整理して提出先への対応を検討します。古い資料を隠したり、後から都合のよい経歴を作ることは解決ではありません。許可後も試用期間の終了時や配属変更時に、当初説明と実際の職務の一致を確認する運用が役立ちます。

顧問支援につなげる場合の成果物と業務範囲

継続支援では、応募者ごとの職務照合表、資料の不足一覧、説明書の改訂履歴、配属変更前の確認窓口を整えることができます。許可申請の書類だけを毎回作り直すより、どの事実が変わったかを説明できる状態を保つことに意味があります。

当事務所は、行政書士業務として在留手続に必要な事実・資料・説明書の整理と、対応可能な申請取次を支援します。就業規則、労働保険・社会保険等は社会保険労務士、採用取消しや労働紛争は弁護士へ接続します。学歴・職務が適合するとの結論や許可を、書類を見る前に保証するものではありません。

確認資料の整理

次の表は、制度の要件と事実を照合するための整理例です。すべての申請に一律に提出する法定書類一覧ではありません。

判断すること確認する資料と限界
専門的職務が存在するか職務説明書、成果物見本、組織図、取引・事業計画。肩書だけでは確認できない。
本人との関連性卒業・成績証明、課程情報、職歴資料。本人の説明と証拠の範囲を分ける。
実行できる計画か配属・研修予定、担当者、開始時期。採用担当と現場の認識を照合。
継続しているか配置変更記録、担当業務の更新、説明書の版管理。前回許可だけで済ませない。

公的根拠・参照資料

制度・行政の公表する取扱いの根拠は以下の資料です。本稿の想定例、照合表、社内の管理方法は当事務所の実務上の提案であり、許可の保証や一律の法定様式を示すものではありません。

[1] 出入国在留管理庁|在留資格「技術・人文知識・国際業務」
活動範囲、申請区分別・カテゴリー別の提出資料。2026年の追加資料案内を含む。

[2] 出入国在留管理庁|「技術・人文知識・国際業務」の在留資格の明確化等について
職務と専門性、学歴等との関係。法令そのものと行政の公表する解釈・事例を区別して参照。

[3] 出入国在留管理庁|別紙4・言語能力を用いる対人業務の明確化
2026年4月公表。主に言語能力を用いる対人業務とCEFR・B2相当の言語能力。

個別の申請では、資格・申請区分・所管窓口ごとの最新案内を確認します。本文の制度確認日以後の改訂は別途確認が必要です。

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予定職務、学歴・経歴の概要、採用時期、現場との認識の違いをお知らせください。職務説明と資料のつながりから整理します。

行政書士が対応する業務と他士業へつなぐ事項を整理し、費用と受任範囲を確認してから進めます。

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