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専門記事・実務研究 88|外国人雇用・入管
在留期限を過ぎても「申請中だから大丈夫」か――特例期間・オンライン申請・就労継続を分ける
はまなす行政書士事務所 行政書士 角屋敦士
制度確認日:2026年9月30日
従業員の在留カードに記載された期限が近づいている。本人は「オンラインで申請した」と話すが、人事には受付メールが届いていない。この状況で必要なのは、勤務の可否をカードの日付だけで決めることでも、本人の一言で確認を終えることでもありません。申請の種類、受付の事実、従前の活動、手続の現在地を確認します。
このページで確認すること
期限管理は、一つの日付を登録するだけでは足りない
在留期間の満了日、雇用契約の終了日、旅券の有効期限、カードの有効期間は、同じ意味ではありません。本稿は、在留期間更新・在留資格変更の申請中に期限が到来する場面を中心に扱います。永住者のカード更新などを同じ仕組みで処理するものではありません。
当事務所は、在留満了日を主たる期限として、社内の準備開始日、申請予定日、受付確認日、結果確認日を別に管理する方法を提案します。例えば満了の4か月前から会社資料を準備することは社内運用として可能ですが、それは法律上の申請受付開始日を意味しません。通常の更新申請は、在留期間が6か月以上の場合、おおむね満了の3か月前からという案内を確認します。[1]
特例期間は「いつでも2か月延びる制度」ではない
対象となる更新・変更申請を在留期間の満了前に行い、満了までに処分がされない場合には、処分時又は満了から2か月が経過する日の終了時の、いずれか早い時まで従前の在留資格で在留できる仕組みがあります。在留期間が30日以下の場合等は同じ前提にできず、適用対象の確認が必要です。[2]
会社側が特に押さえるべき点は、延びるのが新しい活動の許可ではないことです。「留学」から就労資格への変更を申請した人を、申請中という理由で新しい正社員の職務に就けることはできません。また、更新・変更以外の申請まで自動的に同じ扱いになると考えないことが必要です。
オンライン申請では、カード裏面だけを見ない
オンライン申請は、窓口で申請した場合と異なり、受付時に在留カード裏面へ申請中の印が押されません。出入国在留管理庁は申請受付に係るメール等による確認方法を案内しています。システムの画面を開いた、書類をアップロードした、という段階と、対象の申請が受け付けられた段階を区別します。[3][4]
確認するときは、本人、申請の種類、受付日・受付番号、申請先が対応しているかを照合します。別の従業員のメールや、オンラインシステムの利用登録完了メールを受け取っても、その人の更新申請の確認にはなりません。担当者のアカウントやパスワードを会社内で共有するのではなく、確認に必要な記録だけを安全に受け渡します。
想定例:10月末満了、更新申請済みの社員
在留期間が1年で10月31日に満了する技人国の社員が、10月20日に更新申請を行い、11月に入っても審査中という想定です。人事は、受付の事実、現在の在留・活動状況、結果がまだ出ていないことを確認します。前提が満たされるなら、カードに印字された日付だけを理由に直ちに不法残留と扱うことは適切ではありません。
一方、特例期間の終期を予定表へ書いて放置する処理も不十分です。途中で結果が出た場合の扱い、新しいカード等の受領手続、追加資料の提出状況を追います。上限日が近い、受付資料が確認できない、既に不許可等の結果がある場合には、単純な期限計算で勤務継続を決めず、本人・取次者・入管への確認を優先します。
在留の継続と、会社が予定する勤務を別々に判定する
従前の資格で在留できることを確認しても、配属変更後の仕事まで従前の活動範囲に含まれるかは別に検討します。特例期間中に専門職から別種の現場作業へ変更するなど、申請と実態が動く場面を見落とさないようにします。
不許可や就労可能な範囲への疑義が生じた場合も、会社がその場で退職を強制するという結論には直結しません。在留・就労の確認と、雇用契約上の処理、賃金、休業・解雇等は論点が異なります。勤務予定の調整が必要な場合は、社会保険労務士・弁護士と連携して扱います。
結果通知を受け取ってから、管理を閉じるまで
人事の管理を「申請済み」で終了させないようにします。オンラインの処理状況や通知を確認し、案内された方法で許可手続・カード受領を進め、変更後の在留資格・期間・就労条件を確認して台帳を更新します。審査完了通知と手続完了を混同せず、結果受領の具体的な方法は最新のオンライン案内に従います。[4]
当事務所が提案する完了条件は、新しい許可内容を確認でき、会社の勤務予定との照合が終わり、次回期限と確認担当者が登録されていることです。受領を担当する人が休暇の場合の引継ぎも決めます。本人への説明が終わっているかも、単なる事務処理の付属事項にしません。
継続支援で管理するのは、未解決の状態である
顧問支援としては、期限一覧の確認、会社資料の準備、受付記録との照合、追加資料・結果受領までの進行整理を設計できます。単に期限を通知するだけでは、申請が止まった理由や確認の責任者までは分かりません。未提出資料、回答待ちの相手、次の確認日を残すことが実務上の価値になります。
当事務所は在留手続の書類作成・申請取次等を対応可能な範囲で支援します。処分への争訟、雇用紛争、労務手続は担当する専門職へ接続します。特例期間の可否を、一般記事だけで個別案件に当てはめて保証するものではありません。
確認資料の整理
次の表は、制度の要件と事実を照合するための整理例です。すべての申請に一律に提出する法定書類一覧ではありません。
| 管理状態 | 確認してから進む事項 |
|---|---|
| 準備中 | 申請の種類、在留期限、会社・本人の不足資料 |
| 申請済み | 利用登録ではなく当該申請の受付を確認 |
| 期限後・審査中 | 特例期間の対象、結果の有無、従前の活動範囲 |
| 結果通知あり | 通知内容、受領方法、完了までの期限 |
| 完了 | 新しい許可内容、勤務との一致、次回期限 |
公的根拠・参照資料
制度・行政の公表する取扱いの根拠は以下の資料です。本稿の想定例、照合表、社内の管理方法は当事務所の実務上の提案であり、許可の保証や一律の法定様式を示すものではありません。
[1] 出入国在留管理庁|在留期間更新許可申請
更新申請の対象と申請時期。
[2] 出入国在留管理庁|在留管理制度Q&A(Q1〜Q79)
更新・変更申請中の特例期間と従前の在留資格。
[3] 出入国在留管理庁|オンライン申請中であることの証明
カード裏面に申請中の印が付かない場合の確認。
[4] 出入国在留管理庁|オンライン申請Q&A
オンラインの申請・審査・結果受領の区別。
個別の申請では、資格・申請区分・所管窓口ごとの最新案内を確認します。本文の制度確認日以後の改訂は別途確認が必要です。
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在留期限、申請の種類、受付を確認できる資料の有無、現在の仕事をお知らせください。期限と申請の進行を一緒に整理します。
行政書士が対応する業務と他士業へつなぐ事項を整理し、費用と受任範囲を確認してから進めます。