はまなす行政書士事務所

行政書士 角屋敦士

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48. 借金があるか分からない相続――財産調査と「3か月」の確認を並行して進める

専門記事・実務研究|遺言・相続・終活
作成・参考資料確認日:2026年9月29日

財産を調べ終わるまで待っていると、相続の承認・放棄を判断する期間が問題になることがあります。通知や取引資料を整理し、調査と期限の相談を同時に進めるための確認点を説明します。

「何も受け取らない」と相続放棄は別

裁判所の案内では、相続放棄は家庭裁判所への申述による手続です。親族同士で「財産は兄に任せる」と合意したことだけで、家庭裁判所の相続放棄をしたことにはなりません。プラスの財産を受け取らない話と、債務を含む相続上の立場の問題を分ける必要があります。

期限は原則として、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月です。死亡日だけで機械的に計算できるとは限らず、後から借金が判明した場合等も個別の検討が必要です。自分で「もう間に合わない」「まだ大丈夫」と結論を出さず、早めに相談してください。

最初に日付と、受け取った通知を並べる

実務上の準備として、死亡日、死亡を知った日、自分が相続人であることを知った経緯、債権者からの通知が届いた日、これまでの財産の処分・支払を時系列にします。封筒、通知書、メール等も残し、口頭の説明は誰からいつ聞いたかを記録します。

これは、特定の日を起算日に決めるための自己判断表ではありません。弁護士等が具体的事情を確認するための材料です。日付が曖昧な部分を推測で埋めず、分かる範囲と根拠を区別して伝えます。

通帳の残高だけで安全と判断しない

借入れの契約書、請求・督促、口座からの引落し、不動産の担保、事業関係の資料などを手掛かりに調べます。保証関係や未払金など、銀行の残高だけでは見えない事項にも注意が必要です。信用情報の照会を行う場合も、各機関の正規の相続人向け手続と対象範囲を確認します。

照会結果に何も載っていないことと、すべての債務が存在しないことは同じではありません。調べた先、対象期間、確認できた範囲、未確認事項を一覧にし、調査がどこまで進んだのかを説明できるようにします。

調査が終わらないなら、期限の相談を先にする

裁判所の案内では、調査しても承認・放棄等の判断ができない場合、申立てによって熟慮期間を伸長できる制度があります。申立てれば自動的に希望どおり延びるという意味ではありません。資料を集め切るまで待たず、期間内の対応について専門家へ相談することが重要です。

架空例として、相続を知ってから時間が経ち、遠方の事業資料が未入手という場合、残る調査と必要日数を一覧にします。専門家には、既に確認した財産・債務、残る照会先、未入手の理由を渡すと、次の対応を検討しやすくなります。

支払いや処分を急がない

相続財産を処分するなどの行為は、承認・放棄の判断に影響することがあります。一方で、保存や支払の事情は個別に異なります。「少額だから大丈夫」「葬儀の支払なら何でも問題ない」と一律に考えず、財産を使う前に専門家へ確認してください。

既に引出しや支払をした場合も、事実を隠さず、金額、日付、目的、相手先、資金の出所、領収書をまとめます。後から説明できることが大切で、記録を作り替えたり、請求書を捨てたりすることは解決につながりません。

相談先を早く分ける

当事務所は、相続関係・財産資料・経緯の整理を行政書士の業務範囲で支援します。相続放棄・期間伸長の申立代理や裁判所提出書類の作成は受任しません。裁判手続は弁護士・司法書士、債権者との紛争・交渉は弁護士へ相談してください。

期限が近い場合は、当事務所のメール返信を待つことを優先せず、対応可能な専門家や裁判所の手続案内窓口へ速やかに連絡してください。資料の整理と期限への対応を並行することが、選択肢を失わないために重要です。

根拠・参考資料

裁判所「相続の放棄の申述」

裁判所「相続の承認又は放棄の期間の伸長」

e-Gov法令検索「民法」第921条等

制度の説明と実務上の整理方法の提案を分けて記載しています。架空例は説明のためのもので、当事務所の受任実績ではありません。実際の対応は最新の法令・通知・自治体や提出先の運用と個別事情を確認して判断します。

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状況を整理して相談する

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