はまなす行政書士事務所

行政書士 角屋敦士

HOME / 遺言・相続・終活の記事一覧

59. 亡くなった家族の生命保険が分からない――契約照会と保険金請求は別の手続

専門記事・実務研究|遺言・相続・終活
作成・参考資料確認日:2026年9月29日

保険証券が見つからなくても、契約を調べる手段があります。ただし、契約の存在が分かることと保険金を受け取れることは同じではありません。調査から保険会社への請求確認までを整理します。

実務で使う確認表

段階完了を確認するもの
手掛かり調査会社名・契約番号・資料の出所
契約照会対象範囲・回答・対象外の調査先
保険会社への確認請求できる人・必要書類・期限
受領後入金・税務確認・記録保管

最初に手掛かりを一覧にする

保険証券のほか、保険会社からの郵便、保険料の口座振替、カード明細、年末の控除証明書、メール等に手掛かりがあります。本人が契約者か、被保険者か、受取人かを分けて記録します。家族の名前が出てくるだけで、その人が請求できる契約とは限りません。

資料には確認日と出所を付けます。古い控除証明書は過去の加入を示していても、死亡時に契約が有効だったことまで証明しない場合があります。既に保険会社が分かるものは、その会社の公式窓口へ連絡し、契約の確認に必要な手続を尋ねます。

生命保険契約照会制度を検討する

生命保険協会には、死亡や認知判断能力の低下等により契約の手掛かりを失った場合の照会制度があります。調べるのは所定の範囲の生命保険契約の有無であり、照会結果だけで受取人や支払額がすべて確定する制度ではありません。申込み資格、本人確認資料、費用、対象範囲は公式案内で確認します。

調査対象は、原則として照会受付日現在に有効に継続する個人保険契約で、死亡時の照会では死亡日まで最低三年間遡る旨が案内されています。共済、少額短期保険、勤務先の制度等まで、ひとつの照会ですべて分かると考えないことが重要です。該当しそうな制度は別に調べます。

相続人であることと受取人であることを分ける

指定受取人がいる死亡保険金は、一般にその受取人固有の権利とされるなど、通常の預金とは扱いが異なります。ただし契約内容や受取人の指定・死亡状況、相続人間の著しい不公平等、個別に法的検討が必要な場合があります。相続人の一人だから当然に全額請求できるとは限りません。

税務上は、民事上の遺産分割の対象であるかとは別に判断します。保険料の負担者、被保険者、受取人の組合せによって課税関係が異なるため、受取人の固有財産だから税金もかからない、という理解は適切ではありません。具体的な課税判断は税理士へ確認してください。

存在が分かったら保険会社へ請求を確認する

協会の照会で契約が見つかった後は、各保険会社へ契約内容・請求権者・必要書類を確認します。照会の申込みをしただけでは保険金請求が完了せず、協会が各社の請求を代行するわけでもありません。照会結果、会社担当、受付番号、追加資料、提出日を管理します。

死亡保険金以外に、入院・手術等の未請求給付が関係する場合もありますが、対象になるかは契約に従います。診断書等は取得前に会社所定の要件を確認すると、取り直しを減らせます。請求期限や時効にも注意し、遺産分割が終わるまで一律に待たないようにします。

財産一覧には別欄で管理する

相続財産の一覧と同じ資料にまとめる場合でも、保険は「契約調査中」「受取人確認中」「請求中」等の状態を記録し、通常の預金の合計へ無条件に加えないようにします。税務資料として必要な情報と、分割協議に記載する情報を区別します。

架空例では、通帳に保険料の引落しがあっても、その契約の被保険者が亡くなった本人とは限らないことがあります。引落口座の名義、保険料負担者、契約者・被保険者・受取人を順に確かめることで、解約や請求を誤って進めることを防ぎます。

相談の準備と専門家の役割

保険会社名が分かる資料、契約番号、本人との続柄、死亡日、手元にある戸籍、未確認の契約一覧を用意します。暗証番号や保険会社のログインパスワードをメールで送る必要はありません。原本や機微な書類の提出方法は受任後に確認します。

当事務所では、相続に伴う資料整理や、受任できる範囲の手続準備を支援します。照会の代理申込みの可否は制度上の要件を確認します。保険金不払いの紛争交渉や受取人間の争いは弁護士、税務は税理士へつなぎます。

根拠・参考資料

生命保険協会「生命保険契約照会制度」

国税庁「相続税の課税対象になる死亡保険金」

生命保険文化センター「相続放棄と死亡保険金」

制度の説明と実務上の整理方法の提案を分けて記載しています。架空例は説明のためのもので、当事務所の受任実績ではありません。実際の対応は最新の法令・通知・自治体や提出先の運用と個別事情を確認して判断します。

あわせて読みたい記事

16. 通帳や財産の一覧が見つからない相続――調査の順番と「分かったこと」の残し方

08. 相続手続は何から始めるか――相続人・財産・期限を別々に調べる

状況を整理して相談する

困っていること、希望する対応、期限、手元にある資料をお知らせください。フォームとメールのどちらでも相談できます。

添付は任意です。開いたメールでファイルを選択してください。福祉記録の利用者氏名等や、相談に不要な個人情報は伏せてお送りください。

遺言・相続・終活の業務案内 →
料金・相談について →

新規のお客様向け・遺言相続手続30%割引の対象条件 →

割引は当事務所が受任できる対象業務の基本報酬に適用します。裁判手続・登記・税務等を当事務所が代行する案内ではありません。

Is this your new site? Log in to activate admin features and dismiss this message
Log In