はまなす行政書士事務所

行政書士 角屋敦士

HOME / 遺言・相続・終活の記事一覧

68. 公正証書遺言の証人を家族に頼める?――候補者・秘密・当日の準備を整理する

専門記事・実務研究|遺言・相続・終活
作成・参考資料確認日:2026年9月29日

公正証書遺言の日程を決めてから「この家族は証人になれない」と分かると、準備をやり直すことになります。証人は単なる付き添いではありません。誰に依頼できるか、どこまで内容を知られるか、何を事前に確認するかを整理します。

実務で使う確認表

準備項目確認すること
家族関係推定相続人・受遺者と候補者の関係
候補者年齢・欠格に当たらないかを役場と確認
秘密と費用知る範囲・守秘・紹介費用を事前確認
当日本人確認資料・持参物・欠席時の連絡先

証人と付き添いの役割は違う

公正証書遺言では、原則となる法定の方式として証人二人以上の立会いが必要です。日本公証人連合会も、遺言者の真意を確認し、適式な手続を担保する役割を説明しています。車で送り迎えをする家族や、連絡を取り次ぐ人が、そのまま証人になれるとは限りません。

遺言内容を決めるのは遺言者本人です。証人が「こちらの分け方がよい」と内容を決めたり、家族の希望を本人の意思として説明したりする役割ではありません。証人の手配、内容の検討、公証人による意思確認を分けて考えると、誰が何を準備するかが明確になります。

関係図を作って、候補者の資格を確認する

未成年者、推定相続人、遺贈を受ける人、その配偶者や直系血族などは証人になれません。「財産をもらう予定がないから大丈夫」という判断だけでは不十分です。公証人等との関係による欠格も含め、民法の定めに照らして、公証役場へ候補者と遺言者との関係を伝えて確認します。

例えば娘が推定相続人である場合、娘自身だけでなく、その配偶者も候補から外れることになります。一方で「親族は全員不可」と単純化するのも正確ではありません。家族関係、推定相続人、受遺者を一覧にし、候補者との関係を具体的に確認することが近道です。

遺言内容を知られる範囲も考える

証人は手続の場で遺言内容に接するため、財産や家族事情をどこまで知られてもよいかは、依頼前に考える必要があります。親しい人でも、近所や親族へ話してしまわないかという不安があるなら、本人がその不安を言葉にして、公証役場や依頼先へ相談します。

守秘の説明、資料の保管方法、連絡先、費用を確認し、候補者へ不要な財産資料を先に大量に渡さないようにします。本人が希望すれば、公証役場による証人の紹介が可能かも相談できます。紹介の方法や費用は役場等に確認し、全国一律の料金と決め付けないことが大切です。

候補者を決めたら、資料と日程をそろえる

日本公証人連合会は、本人側で証人を手配する場合、証人の住所・氏名・生年月日が分かる資料の準備を案内しています。必要な本人確認資料、当日の持参物、署名等の方法は、担当する公証役場の案内で確認します。遺言者本人と証人の資料を混在させず、誰の資料か分かるよう整理します。

日程表には本人、証人、公証人、出張先がある場合の施設担当者などの調整先を記載します。欠席や体調変化が起きたときの連絡先も決めておきます。本人の体調や意思確認を置き去りにして、予約済みだからという理由だけで作成を急がないようにします。

証人がいても、意思能力の問題が消えるわけではない

証人が立ち会ったことだけで、後日のあらゆる争いが防げると断定することはできません。判断能力に心配がある場合は、その事情を公証人へ事前に伝え、本人の理解や意思を確認するために何が必要か相談します。医療情報が必要かどうかも、事情に応じて検討します。

家族が作ったメモしかなく本人の希望が聞けていないなら、証人探しより先に意思の確認が必要です。財産の配分、遺留分、家族間の対立など、法的な争いの予防や調整が必要な内容は、弁護士への相談も検討します。証人の確保と内容の適切さは別の確認事項です。

相談前に用意するのは、候補と関係のメモ

初回相談には、遺言者の家族関係、遺贈を考えている相手、証人候補との関係、希望時期、出張の必要性の有無をまとめると話が進みます。適当な候補者がいなくても、そこで準備を止めず、紹介等の方法を相談できます。証人候補者の個人情報は、本人の了解なく広く共有しないようにします。

当事務所では、公正証書遺言の作成に向けた情報・資料の整理や公証役場との事前調整を支援します。実際の作成は公証人が行い、証人としての適格性や必要資料は担当役場と確認します。本人の意思を中心に、当日までに確認すべきことを一つずつ整理します。

根拠・参考資料

日本公証人連合会|公正証書遺言の証人

日本公証人連合会|必要書類

e-Gov法令検索|民法(第969条・第974条)

制度の説明と実務上の整理方法の提案を分けて記載しています。架空例は説明のためのもので、当事務所の受任実績ではありません。実際の対応は最新の法令・通知・自治体や提出先の運用と個別事情を確認して判断します。

あわせて読みたい記事

06. 公正証書遺言と自筆証書遺言、どう選ぶか――費用だけでは決められない準備の論点

60. 親の判断力が心配になったときの遺言――家族が代わりに決めない準備

状況を整理して相談する

困っていること、希望する対応、期限、手元にある資料をお知らせください。フォームとメールのどちらでも相談できます。

添付は任意です。開いたメールでファイルを選択してください。福祉記録の利用者氏名等や、相談に不要な個人情報は伏せてお送りください。

遺言・相続・終活の業務案内 →
料金・相談について →

新規のお客様向け・遺言相続手続30%割引の対象条件 →

割引は当事務所が受任できる対象業務の基本報酬に適用します。裁判手続・登記・税務等を当事務所が代行する案内ではありません。

Is this your new site? Log in to activate admin features and dismiss this message
Log In