はまなす行政書士事務所

行政書士 角屋敦士

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73. 勤務表では基準を満たすのに実態が合わない――配置予定と勤務実績を月ごとに照合する

専門記事・実務研究 73|障害福祉・児童発達支援
作成・公的資料確認日:2026年9月29日

予定勤務表の人数はそろっているのに、実際には送迎・休憩・欠勤が重なっていた。月の常勤換算を満たしていても、必要な時間帯の配置を説明できないことがあります。主として重症心身障害児を対象とする事業所等を除く一般的な児童発達支援・放課後等デイサービスを念頭に、基準人員・加算人員・勤務実績を分けて点検します。

「人数」「常勤」「専従」「常勤換算」は別の確認

一般的な事業所では、サービス提供時間帯を通じて、障害児10人までなら児童指導員又は保育士2人以上、10人を超える場合は5人又はその端数ごとに1人を加えた配置が基本です。このうち1人以上は常勤という要件もあります。センター、重症心身障害児対象、多機能型などの特例を含め、自事業所に適用される指定基準を先に確定します。

常勤は事業所の常勤職員が勤務すべき時間数等との関係、専従は担当業務との関係、常勤換算は対象業務に従事する勤務延べ時間数を常勤職員の勤務すべき時間数で除する計算です。同じ人を複数事業所の同じ時間に計上したり、常勤換算の月合計だけで時間帯の不足を打ち消したりする扱いはできません。

予定表を保存し、実績で上書きしない

月初の配置予定と、欠勤・遅刻・早退・応援・研修等を反映した実績は別に保存します。タイムカードは出退勤の証拠にはなりますが、どの事業・職種で何をしていたかまでは分からないため、送迎表、休暇記録、業務分担、利用児の実績と照合します。

管理者兼務や児童発達支援管理責任者の兼務が認められる範囲と、直接支援職員として基準に算入できる範囲は別です。資格証があっても、その日にその職務を担当していなければ、自由に人数へ足せるわけではありません。児童指導員の任用根拠も、卒業証明・履修内容・実務経験等のどれによるかを職員台帳で確認します。

想定例:送迎に出た30分を見落とさない

例えば、利用児8人を支援する14時〜17時に、児童指導員Aと保育士Bを配置した予定で、Bが16時から30分間送迎へ出たとします。月の総勤務時間が足りていても、16時〜16時30分の支援体制を確認する必要があります。別の有資格職員Cがその時間に実際に支援へ入っていたか、別事業の担当と重なっていないかを照合します。

「管理者が建物にいた」「別室に資格者がいた」という説明だけで補いません。誰が何時から何時まで対象児の支援を担当したかを残します。ここで挙げた例は配置点検の方法であり、個々の兼務可否を一律に判断するものではありません。

基準人員を確保した上で、加算の人員を数える

基準を満たす人員と、児童指導員等加配加算などの要件に使う人員を対応表で分けます。基準人員が不足した時間を加配担当者が補ったとき、加算側の条件をなお満たすかを確認します。同じ時間を両方へ無条件に重複計上しません。

堺市Q&Aは、児童指導員と運転手を兼務する者について、児童指導員等加配加算の常勤専従とは認めない取扱いを示しています。これは単に給与が常勤扱いかという問題ではありません。担当業務の実態と、算定する加算の職種・経験・配置条件を一緒に確認します。

不足の発見後は、安全・届出・報酬を分けて動く

まず当日以降の安全な支援体制を確保し、管理者へ不足した日・時間・職種を報告します。その後、指定基準の欠如、人員欠如減算の起算と解消月、加算の不算定、変更届等を別々に確認します。減算がまだ始まらない月であっても、基準違反を放置してよい期間ではありません。

令和8年5月28日改正の留意事項には、やむを得ない人員欠如に関する特例的な取扱いが追加されています。突発性、職員確保の取組、指定権者への手続など所定の条件を確認するもので、「退職なら一律に猶予される」「加算もそのまま請求できる」とは扱いません。適用可否を確認中の事案は通常の点検表と分けて管理します。

月次照合を担当者任せにしない

当事務所が提案する月次手順は、①職員・資格・雇用条件の更新、②日別・時間帯別の配置照合、③職種別の常勤換算、④加算条件との照合、⑤管理者の確認、⑥届出・請求への反映です。不一致は「説明済み」「要確認」「訂正が必要」に分け、元資料と訂正履歴を残します。

初回相談には、対象サービス・定員・提供時間、匿名化した1か月の予定と実績、資格の種類、算定中の加算を準備してください。当事務所は指定・変更等の行政手続と資料整合の整理を支援します。労働時間や社会保険の専門手続は社会保険労務士、労務紛争は弁護士へ接続し、現場の配置決定は事業者が責任をもって行います。

相談前の確認メモ

以下は、資料を整理するための当事務所の提案です。法令上の全国共通様式ではありません。

確認する区分資料・事実
資格・契約任用根拠、職種、所定時間、兼務先
日々の実態出退勤、休憩・休暇、送迎、他事業の担当
月次判定基準人員、加算人員、欠如期間、届出の状況

公的な根拠・参考資料

下記は制度の確認に用いた公的資料です。本文中の整理表・運用手順・想定例は当事務所の実務上の提案と区別しています。個別案件では、対象サービス・地域・手続時点に適用される法令、通知、提出先の取扱いを確認します。

堺市|よくある質問(任用・兼務・人員欠如)

こども家庭庁|令和8年度報酬改定(5月28日改正・人員基準欠如減算を含む)

e-Gov|指定通所支援の人員・設備・運営基準(第5条・第66条等)

12. 急な欠勤・退職で人員配置が崩れたら――当日の安全、届出、請求を分けて確認する

04. 加算は届出だけで終わらない――人員・支援の実態・記録・請求を照合する

72. 家族支援加算を「面談した」で終わらせない――相談内容・支援・計画とのつながりを残す

状況を整理して相談する

困っている点、期限、手元の資料、これまでの経過をお知らせください。本記事の相談準備に挙げた資料から必要な範囲を確認し、行政書士が支援できる部分と、他の専門職へつなぐ部分を整理します。

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