ホームページ制作の読みもの 02
「もっとシンプルに」の、その先へ。余白を増やしても伝わらない理由
文字を半分にしたのに、なぜか前より分かりにくい。シンプルなホームページづくりで起きる、ちょっと不思議なすれ違いです。
本文中の場面は、制作の考え方を説明するための想定例です。
削ったら、知りたいことまで消えた
例えば、小さなサロンのサイトを考えてみます。写真を大きくして、説明を減らし、白い余白をたっぷり取る。見た目はすっきりしました。ところが初めて見る人には、何の施術を受けられるのか、料金はいくらか、予約が必要なのかが見つかりません。
これは想定上の例ですが、「すっきりしている」と「迷わない」が別のことだとよく分かります。情報の少なさだけで、使いやすさは決まりません。
残す基準を、読み手の行動に置く
削る前に、そのページを読んだ人に何を判断してほしいかを決めます。初めての来店なら、メニュー・料金・場所・予約方法。工事の相談なら、対応内容・地域・見積りまでの流れ。判断に必要な情報を先に残すと、飾りの言葉を減らしやすくなります。
例えば「癒やしの時間をあなたへ」は雰囲気を伝える言葉です。一方、「完全予約制」「所要時間の目安」は利用方法を伝える言葉。役割が違うので、どちらか一方に全部を任せない設計が必要です。
短くするより、置き場所を分ける
長い説明をすべてトップに置く必要はありません。最初は概要を示し、詳しい説明へ進めるようにする。料金表は比較しやすい場所にまとめ、よくある質問は疑問が生まれる近くに置く。そうすると、必要な情報量を保ったまま、画面の見通しをよくできます。
ただし、何でも折りたたんだり、リンクの先へ追いやったりすると、今度は探す手間が増えます。料金の追加条件など、判断を左右する情報は、小さな注記の奥に隠さないことが大切です。
シンプルさは、説明を引き受けること
確認するときは「文章が多いか」だけでなく、「初めての人が三十秒見たら、何を頼めると分かるか」と問い直してみてください。これは成果を測る厳密な試験ではなく、説明の抜けを見つけるための小さな見直しです。
スタジオりんりんが整えたいのは、読み手が頭の中で補足しなくても理解できる順番です。文章を減らすところ、残すところ、詳しく分けるところ。すっきりした画面の裏側には、そうした地味な整理があります。
まだ言葉になっていないことから、一緒に。
相談の前に、資料や考えを完璧にまとめる必要はありません。まずは質問を眺めて、書けそうなところから始めてみてください。
