引っ越したあとも、いつもの支援を使いたい。転居前にそろえる連絡と引き継ぎ
新しい家が決まるとうれしい一方で、今のヘルパーや通所先をそのまま使えるのか心配になりますよね。荷造りや住民票の手続きに追われ、福祉の連絡が最後になることもあります。支援の引き継ぎは、住所変更だけでは終わらない場合があります。引っ越す日が見えてきた段階から、生活の予定と手続きを一緒に並べてみましょう。
先に押さえる3つ
- 転居先が決まる前後から、今の窓口・転居先の窓口・支援者へ連絡する。
- 受給者証の手続きと、実際にサービスを提供できるかを別々に確かめる。
- 引っ越し前後の一週間を具体化し、支援が空く時間を見つける。
この記事の内容
住民票の変更と、福祉の引き継ぎは分けて考える
堺市の引っ越し案内では、転入時の障害福祉サービスの認定手続きや、住所変更が、関連する手続きとして掲載されています。住民票を動かせば福祉サービスの内容も自動で引き継がれる、と考えないことが大切です。
同じ市内の転居か、市外への転出か、施設やグループホームなどへの入居かによって、確認事項が変わります。支給決定を担う自治体に特別な扱いが関係する場合もあるため、「新しい住所になれば必ず新しい市の決定になる」とも一律には判断しません。今の窓口と転居先の窓口の双方に、住まいの形と予定日を伝えます。
連絡先は、役所だけでなく三つに分ける
| 相手 | 先に確かめること |
|---|---|
| 今の自治体・転居先の自治体 | 必要な申請・届出、資料の引き継ぎ、支給決定の期間、手続きの順序 |
| 相談支援の担当者 | 転居後の生活、計画の見直し、次の相談支援事業所との連携 |
| 今の利用事業所 | 新住所での訪問や送迎が可能か、最終利用日・再開日、契約変更の有無 |
ここは、話し合いのための整理表です。必ず全員が同じ順番で進めるという申請規則ではありません。「自治体の手続きは進んでいるが、送迎範囲から外れていた」「事業所は続けられるが、開始日の確認が済んでいなかった」という行き違いを減らすために使います。
引っ越し前後の一週間を、朝から夜まで書く
サービス名だけを並べるより、「月曜日の朝、誰が来るか」「引っ越し当日の食事はどうするか」「翌週の通院はどう行くか」を予定表にすると、空白が見つかります。日中の居場所、入浴、服薬の確認、買い物、夜間の連絡先など、ご本人に必要な場面を選んで書きます。
家族が手伝えるつもりでも、引っ越し作業や仕事で対応できない時間があるかもしれません。手伝えることと未定のことを分け、「この二時間の支援がまだ決まっていない」と相談すると調整しやすくなります。確定していない予定に、できる前提で丸をつけないことも大切です。
引き継ぐ資料は、必要な情報と本人の希望から
受給者証や計画書、利用している事業所の連絡先など、窓口や担当者が必要とする資料を確認します。加えて、安心できる伝え方、苦手な環境、本人が大切にしている習慣を一枚にまとめると、新しい支援者に生活が伝わりやすくなります。
資料を渡す相手と目的も確認します。古い支援記録を何でも一括で送るのではなく、本人の意向を確かめながら必要な範囲を整理します。薬や医療的な対応に関する引き継ぎは、主治医など関係する医療職と確認し、自己流で変更しないようにします。
新生活が始まってから、もう一度確かめる
新しい部屋では、同じ支援内容でも動線や生活時間が変わります。「前の家ではできていたのに」と本人の力だけの問題にせず、収納、照明、移動距離、訪問時間など環境の違いも見ます。引っ越し後に一度、相談員や事業所と振り返る時期を決めておくと安心です。
家がまだ決まっていなくても、「この地域へ移ることを考えている」と相談を始められます。支援を途切れさせない準備は、すべての契約が終わってから始める作業ではありません。決まっていること、未定のことを分けて伝えるところから進めましょう。
そのまま使える、伝え方の例
〇月ごろに〇市へ転居する予定です。今は〇〇を利用しています。引っ越し前後に支援が途切れないよう、双方の自治体で必要な手続きと、事業所との調整の順番を確認したいです。
今日できる、小さな一歩
引っ越し前後の予定表を作り、未定の支援を一つ、担当者へ相談する。
根拠資料と、この記事について
制度に関する記述は上記の公的資料と照合しました(確認日:2026年10月22日)。場面や会話は説明のための想定例です。利用条件・費用・手続きは地域や本人の状況によって異なるため、申請前に担当窓口へご確認ください。
制作:福祉の集い / 運営:はまなす行政書士事務所