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借金と家族の判断 · 相続・遺言 実務特集 05 / 20
自分が相続放棄したら、誰が次の相続人になる?|親・兄弟姉妹への影響と連絡の準備
自分の手続きが済んでも、家族全体の確認が終わったとは限りません。相続順位、代襲相続との違い、次の人への情報共有を整理します。
制度確認日:2026年10月17日 / はまなす行政書士事務所・私の相続 / 読了の目安:約6分
まず押さえたいこと
相続放棄をした人は、その相続について初めから相続人でなかったものとされます。先順位の相続人が全員いなくなると、次順位の人が相続人になることがあります。放棄した子の子が、その放棄だけを理由に代襲相続するわけではありません。[1][2]
最初の一歩:配偶者・子とその代襲者・父母等・兄弟姉妹を、亡くなった人との関係で並べた家族図を作ります。
この記事の目次
1.兄が放棄しただけで、叔父へ移るとは限らない
説明用の例です。父が亡くなり、母と子二人が残りました。長男だけが放棄した場合、もう一人の子が相続人である間は、父の兄弟姉妹が直ちに相続人になるわけではありません。放棄した人の名前を消すだけでなく、同じ順位に誰が残るかを見る必要があります。
配偶者は、子・直系尊属・兄弟姉妹という順位とは別に考えます。配偶者自身が放棄するか、先順位者が誰かを区別し、「家族の中で次に年上の人へ移る」という理解は避けてください。[2]
2.子の放棄と、子が先に亡くなっていた場合は違う
代襲相続は、相続開始前の死亡、相続欠格・廃除など、法律の定める事情で問題になります。子が相続放棄をしたという事情自体は、代襲相続の原因ではありません。子が放棄したから孫にも必ず放棄をさせる、とは決めません(民法887条・939条)。[1]
| 状況 | 確認する方向 |
|---|---|
| 子の一人だけが放棄 | 他の子や既に代襲相続人となっている人の有無 |
| 子の順位の相続人が全員いなくなる | 生存する父母・祖父母等の有無 |
| 子の順位も直系尊属もいない | 兄弟姉妹・その代襲者である甥姪の有無 |
| 子が被相続人より先に死亡 | その子の子等が代襲相続人となるか |
| 配偶者だけが放棄 | 子等の順位がどうなるかを別途確認 |
3.次順位の人の3か月を、同じ死亡日から数えない
熟慮期間の原則は、各人が自分のための相続開始を知った時から3か月です。先順位者の放棄により後から相続人となった人は、死亡を知った日だけでなく、自分が相続人となった事情をいつ知ったかが重要です。[3]
「私が放棄した日から親族全員の期限が同じように始まる」とも断定できません。連絡した日、伝えた内容、受理通知等を受け取った日を残します。届いた債権者の請求書から事情が分かる場合もあるため、各人の認識を整理してください。
4.連絡は、放棄を迫るためではなく、判断材料を渡すために
相続放棄には、次順位者全員の同意が必要という仕組みはありません。一方、事情を知らない親族へ突然請求が届くと、調査の時間を失うことがあります。連絡が可能で支障がなければ、死亡日、放棄が受理されたこと、把握している債務、相談先を簡潔に伝えることが実務上役立ちます。
説明は事実に限ります。「あなたも絶対に放棄しなければいけない」「この金額しか借金はない」など、本人の選択や未確認の財産を断定しません。関係が悪化している、所在が不明、連絡に危険がある場合は、無理に直接会わず対応方法を専門家と相談します。
5.放棄後に家や家財を占有している場合
放棄をした時に相続財産を現に占有している人は、相続人または相続財産清算人へ引き渡すまで、自分の財産と同一の注意で保存する義務が問題になります。すべての放棄者に同じ管理義務が無期限に生じる、という説明は正確ではありません(民法940条)。[1]
逆に、放棄したから鍵を放置してよい、家財を自由に売ってよい、ということにもなりません。誰が現に占有しているか、何を保存し、誰へ引き渡すかを確認します。全員が放棄した場合の清算人選任等も、個別の事情に応じて検討します。
よくある質問
親族全員で一枚の書類を出せば放棄できますか。
放棄の意思と手続きは各人について必要です。未成年者や利益相反の問題がある場合も含め、各人の申述に必要な資料を家庭裁判所等へ確認してください。
次の相続人に連絡しないと、私の放棄は無効ですか。
次順位者への通知は、相続放棄の法律上の成立要件ではありません。ただし、円滑な調査や家財の引継ぎのために、可能な範囲の情報共有を検討します。
今日の確認メモ
- 配偶者と順位を分けて家族図を作る
- 先順位の全員の状況を確認する
- 伝えた日と資料を記録する
- 占有中の家・家財の保存と引渡しを確認する
根拠となる公式資料
[1] e-Gov法令検索「民法」
[3] 裁判所「相続の放棄の申述」
制度確認日:2026年10月17日。日本の一般的な相続・遺言手続きを説明しています。事例・金額は説明用です。作成日・死亡日等による経過措置や個別の事情で結論は変わります。税務は税理士・税務署、登記は司法書士等、紛争・権利行使は弁護士にご確認ください。
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