はまなす行政書士事務所の解説記事|公式資料確認:2026年10月6日

この記事の目次
このページの結論
人生会議は、もしものときに望む医療やケアについて、信頼する人や医療・ケアチームと繰り返し話す取組です。一度に結論を出さず、今大切にしていること、代わりに気持ちを伝えてほしい人、迷っていることから始められます。
まずすること
「治療をする・しない」の二択ではなく、普段の生活で大切にしていることを一つ伝えてみてください。
「延命はどうする?」と聞かれ、会話が止まった。
娘は、父の将来が心配で『もしものとき、延命はどうする?』と切り出しました。父は『今そんなことを言われても分からない』と答えます。娘も、何を聞けばよかったのか分からなくなりました。
最初から治療の選択を迫ると、話しにくくなることがあります。『家で朝の庭を眺める時間が好きなんだ』。そんな言葉から、その人が大切にしている暮らしを知ることもできます。
1.人生会議は、正解を決める試験ではありません
厚生労働省は、人生会議を、望む医療やケアについて前もって考え、家族等や医療・ケアチームと繰り返し話し、共有する取組として案内しています。話す相手は、血縁のある家族だけに限りません。本人が信頼できる人も含めて考えます。[1]
『全部決めた人だけが準備できている』と考える必要はありません。分からない、今は考えたくない、説明を聞いてから考えたい、という気持ちも会話の中に置けます。本人が話したいかを確かめ、無理に答えを引き出さないことから始めます。
2.最初の質問は、日常の大切なことにする
『どんな時間が好き?』『人に手伝ってもらうなら、何を自分で続けたい?』『心配なことはある?』と聞いてみます。住まい、食事、家族や友人との時間、仕事や趣味など、その人らしさが分かる話題を選びましょう。
答えをすぐ医学的な指示に変換せず、まずそのまま受け取ります。『家が好き』と話したことだけで、どんな状況でも入院を望まないと決めつけないでください。なぜ好きなのか、何が心配なのかを聞くと、後で医療・ケアについて相談する際の手がかりになります。
3.信頼する人に、気持ちを伝える役割を相談する
自分の言葉で伝えることが難しくなったとき、普段の希望や価値観を医療・ケアチームへ伝えてほしい人を考えます。身近な家族、友人、パートナーなど、話せる相手から始められます。相手が引き受けられるかも確認してください。
これは、誰か一人にあらゆる決定権が自動的に与えられる、という意味ではありません。本人の意思を大切にする医療・ケアの話合いと、財産の代理や法律上の権限は分けて確認します。連絡先を渡し、本人が何を話したかが共有されることを目指します。
4.医療の選択は、説明を聞きながら考える
具体的な治療やケアの利点・負担、予想される状態などは、医療・ケアチームの説明を聞いて考えます。家族だけで医療用語を調べて結論を急ぐより、『どういう状態を想定していますか』『どのような選択肢がありますか』と尋ねてください。
この記事では、特定の治療を受けるべきか、控えるべきかを示しません。本人の価値観を医療者へ伝え、十分な情報を得て話し合うための準備を紹介しています。いま治療中なら、担当の医療者に話す場を設けられるか相談するところから進めます。
5.記録は、決定事項だけでなく迷いも残す
話した日、話した相手、今大切にしていること、希望、まだ分からないことを短く書きます。『今はこう思う』『病状を聞いてから考えたい』も大切な情報です。記録の場所と、共有してよい相手も本人と確認してください。
エンディングノートへ書く方法もありますが、記録した一文が、将来のあらゆる場面でそのまま実現するとは限りません。文書を作ることだけで完了にせず、本人・信頼する人・医療やケアに関わる人が、必要なときに内容を確認できるようにします。
6.気持ちが変わってもよい。話し直せるようにする
希望や気持ちは、体調、経験、周囲の状況によって変わることがあります。厚生労働省も、何度でも繰り返して話し合うことを大切にしています。前に書いた内容を変えることは、準備の失敗ではありません。[1]
場面の父娘なら、庭の時間や家族に負担をかける心配を聞き、次の受診で相談したいことをメモします。話したくない日はそこで止め、別の日にまた話す。『決めておいて』という宿題を渡すより、話し続けられる関係を作ることが、もしものときの支えになります。
| 話題 | 聞き方の例 | 残すこと |
|---|---|---|
| 大切な生活 | 毎日のどの時間を大切にしたい? | 理由も含めた本人の言葉 |
| 心配 | 何がいちばん心配? | 負担・痛み・家族などの懸念 |
| 相談相手 | 気持ちを伝えるとき、誰にいてほしい? | 相手の同意と連絡先 |
| 迷い | 説明を聞いてから考えたいことは? | 次に医療者へ聞く質問 |
よくある質問
元気なうちから話してよいですか。
もしもの場面は年齢にかかわらず起こり得ます。ただし、本人の気持ちと話すタイミングを尊重し、無理に進めないようにします。[1]
遺言を書けば、医療の希望も決まりますか。
財産の承継を扱う遺言と、医療・ケアについて話し合う人生会議は役割が違います。希望を記録する場合も、医療・ケアチームへ共有する方法を別に考えましょう。
今日できる準備
- 本人が今話したいかを確認した
- 大切な生活・信頼する人・迷いを、日付とともに残す
- 医療・ケアチームへの共有と、話し直す機会を考える
参照資料・編集方針
公式資料確認:2026年10月6日。制度・手続きは上記資料を参照し、架空の場面、会話例、確認表、準備の順番は当サイト独自の編集例として作成しました。個別の取扱いは、状況と利用先に応じて確認してください。
相談するときに伝えたいこと
終活の希望を文書・連絡先・財産の準備へ整理する相談ができます。具体的な医療・ケアの判断や説明は医療・ケアチームへ確認し、財産管理や遺言とは役割を分けます。
分かっている資料と、まだ確認できていないことを分けてお伝えください。作業の範囲と費用を確認してから、依頼を検討できます。

