自筆証書遺言を法務局に預ける手順|本人申請・費用・保管後の管理
自筆証書遺言を法務局に保管すると、紛失等への備えになり、死亡後の検認が不要になります。書く準備、申請、保管後の連絡と変更を順番に説明します。
監修:はまなす行政書士事務所 · 参照資料確認:2026年10月4日
このページの結論
遺言の内容と方式を整え、管轄と予約、申請資料を確認し、遺言者本人が申請します。保管申請は代理・郵送でできません。手数料は1通3,900円で、内容の有効性まで保証する制度ではありません。
希望と財産の資料を整理し、様式・管轄・本人申請の準備を確認する。
1.誰に何を残すかを先に整理する
保管する前に、家族関係、財産、残したい相手を整理します。保管は遺言を安全に残す仕組みなので、財産の表示、遺留分、執行者等の内容は作成時に検討する必要があります。
希望のメモには「長女へ預金」「長男へ実家」のように対象を記録し、その財産を特定できる資料を用意します。受け取る人が先に亡くなった場合や新しい財産ができた場合の希望も相談事項にしてください。
書き方に不安があるときは、専門家へ原案を相談します。本人が書く必要のある部分と、手書きによらない財産目録の要件を区別します。保管所へ予約する前に内容を整えると、書き直しや再予約の負担を減らせます。
2.方式と保管制度の様式を確認する
自筆証書遺言は原則として本文等を本人が自書し、日付・氏名・押印を整えます。手書きによらない財産目録を添付する場合には、記載のある各ページの署名・押印などを確認します。
保管制度には用紙、余白、ページ番号、封をしない等の様式の定めがあります。一般の自筆証書遺言の方式と、保管申請で求める形式の両方を公式案内で確認してください。書き終えた後に余白を切り詰めるなど、自己流で様式を変えないようにします。
氏名や不動産の表示は根拠資料と照合します。原本を提出する前に、自分が内容を確認できる控えの取扱いも考えます。家族と内容を共有する範囲は、本人の意思に応じて決めてください。
3.管轄・予約・本人の来庁を準備する
住所、本籍、所有不動産の所在地等に基づく管轄を確認し、申請する保管所を選びます。本人確認資料、住民票等、申請書の最新案内と予約方法を確認してください。制度上、遺言者本人が申請する必要があります。
専門家や家族が準備を手伝うことと、申請を本人に代わって行うことは別です。本人の移動や自書に困難がある場合は、保管制度の利用方法だけに絞らず、公正証書遺言等も含めて作成・保管方法を相談します。
当日は予約内容、遺言書、申請書、本人確認資料、必要な手数料を確認して持参します。不足がある場合の対応を窓口へ聞き、作成費用・相談費用・交通費と制度の手数料を分けて見積もります。
4.保管証と家族への案内を管理する
保管後は保管証を安全に保存し、どの保管所に預けたかを、適切な連絡先へ伝えます。制度の通知を利用する場合は、通知の種類と対象者、本人が指定できる事項を窓口で確認してください。
死亡後には、対象の相続人・受遺者・執行者等が、遺言書情報証明書の取得や閲覧等を行います。法務局保管の遺言は検認が不要ですが、銀行・登記等に必要な手続きまで自動的に終わるものではありません。
家族向けのメモには保管所、保管証の場所、連絡してほしい人を書きます。遺言の内容を広く公開する必要はありません。発見と正規の手続きに必要な情報が伝わる備えを整えます。
5.住所や内容が変わったら必要な手続きを確認する
転居や氏名等の変更があれば、変更の届出を確認します。遺言の内容を変えたい場合は、返還や新しい遺言の作成、再保管等の手順を確認してください。複数の遺言を追加保管する場合は、新旧の効力関係の検討も必要です。
保管申請の撤回は、法務局への保管をやめる手続きです。遺言そのものを撤回することとは効果が異なります。書類を返してもらえば遺言が自動的に無効になると扱わず、本人の希望に合う変更方法を確認します。
保管証や連絡メモを更新した日付を残し、家族や執行者への案内も整えます。最初の保管だけで終えず、財産や生活の変化に合わせて見直せる状態にしておくことが大切です。
相談で伝える文例
自筆証書遺言を法務局に預けたいです。本文と財産目録を準備しています。様式、申請先、予約、必要資料、通知の取扱いを確認したいです。
ご自身の状況に置き換えてお使いください。記録する項目と記入例
| 段階 | 準備するもの | 確認する点 |
|---|---|---|
| 作成 | 希望・家族・財産資料 | 内容と自筆の方式 |
| 申請 | 本人確認・申請書・遺言 | 管轄・予約・本人来庁 |
| 保管後 | 保管証・連絡メモ | 変更届・新旧遺言の関係 |
子に書類準備を手伝ってもらう場合
本人は財産を残す希望を決め、子は戸籍等の取得方法や予約の確認を手伝います。遺言を書く部分と本人申請は制度の要件に沿って準備し、保管後は保管証と連絡先を整理します。
間違えやすい点
- 保管されれば内容もすべて有効と保証されると思う。
- 家族が代理で保管申請できると思う。
- 保管の撤回と遺言の撤回を同じに扱う。
この記事のFAQ
手数料だけで遺言の相談もできますか?
3,900円は保管申請の手数料です。専門家への原案相談や作成支援の料金は別に確認します。
預けた遺言を死亡後に原本で返してもらえますか?
死亡後は原本を家族へ返す方式ではなく、資格に応じて遺言書情報証明書の取得等を利用します。必要な手続きを窓口へ確認してください。
参照資料
制度の説明は参照資料に基づき、会話例と整理の方法は当サイトの編集提案です。個別の事情に応じて必要な対応を確認してください。
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