まず押さえたいこと

2026年10月17日に確認した現行方式では、原則として全文・日付・氏名を自書し押印します。自書でない財産目録の例外には、各頁・必要な両面への署名押印等が必要です。押印等に関する改正は、成立と施行を区別します(民法968条・975条)。[1][2][4]

最初の一歩:遺言の「本文」と、財産を特定する「目録」を分け、形式確認用のチェック欄を作ります。

2026年改正と施行時期について

2026年6月24日に公布された改正法には、押印の任意化等と保管証書遺言の創設が含まれます。法務省の案内では、前者は公布から1年以内、後者は3年以内の政令で定める日に施行される仕組みです。成立・公布しただけで、すべての新方式が利用できるわけではありません。この記事は2026年10月17日に確認した現行制度を説明し、作成・申請時には施行状況を改めて確認してください。[4]

この記事の目次

1.本文を印刷して署名するだけでは、自筆証書遺言にならない

説明用の例です。父はパソコンで分け方を書き、印刷した紙の最後に自署して押印しました。読みやすい文書ですが、本文の自書が必要な自筆証書遺言の方式を満たすことにはなりません。公正証書遺言のデジタル化と、自分で作る自筆証書遺言の要件も別です。

書くことが難しい場合は、家族が手を添えて代筆すればよいと考えず、公正証書遺言など利用できる方法を公証人等へ相談します。どの方式でも、遺言者本人の意思を確認することが重要です。

2.日付と氏名は、後から第三者が読んでも分かる形に

作成した年月日を明確に特定できるように書き、氏名を自書して押印します。「○年○月吉日」のように日を特定できない書き方は避けます。遺言の前後関係や作成時点の判断にも関わるため、文面が整った日に正確に記載します。[2]

通称や印の種類を巡る法的判断には個別の事情がありますが、あえて疑義のある方法を選ぶ必要はありません。普段の公的書類と照合しやすい氏名と明確な日付で、解釈に頼らない書き方を心掛けます。

3.財産目録だけの例外を、本文に広げない

自書でない財産目録を添付することはできます。ただし、各頁に署名押印し、両面に自書でない記載がある場合は両面への署名押印が必要です。預金通帳や登記事項証明書の写しを利用する場合も、目録としての要件を確認します。[1][2]

記載するもの注意する点
誰に何を残すかという本文原則として本人が自書する
別紙の財産目録自書でない作成も可能だが署名押印等が必要
目録の裏面にも記載がある裏面を含めた署名押印を確認
目録の余白に取得者の指示本文事項を混在させない
付言事項遺言書に記載するなら自書の扱いも確認

財産の一覧と、誰へ取得させるかという処分の指示を分けます。目録の番号と本文の参照先がずれると、形式を満たしていても内容の特定で困るため、本文と目録を一緒に読み直してください。

4.訂正は、二重線と印だけで済むとは限らない

民法は、加除変更の場所の指示、変更した旨の付記と署名、変更場所への押印という方式を定めています。修正液や修正テープで消し、元の内容が分からなくなる方法は避けてください。[1][2]

訂正が多い場合は、全体を正確に書き直す方法を検討します。家族が余白へ書き足したり、本人の死後に日付を補ったりしてはいけません。既に作成した遺言の不備が疑われる場合は、勝手に直さず専門家へそのまま示します。

5.夫婦でも、一通の証書で共同の遺言はできない

「どちらが先に亡くなっても、残った相手へ全部」と夫婦連名で一枚に書く方法は避けます。遺言は二人以上が同一の証書ですることが禁止されており、各自がそれぞれの意思で別々に作成します。[3][1]

さらに、方式だけが整っていれば希望がすべて実現するわけではありません。遺留分、財産の特定、受取人が先に死亡した場合、執行者、保管先も確認します。法務局の保管制度は形式面の確認等を行いますが、内容全体の有効性を保証する制度ではありません。

よくある質問

法務局へ預ければ、法律上の問題は全部チェックしてもらえますか。

保管手続きの形式確認と、遺言内容の法的な有効性・希望の実現可能性は別です。複雑な分け方や家族関係は、作成前に専門家へ確認してください。

エンディングノートに署名と日付を入れれば遺言になりますか。

題名ではなく方式と内容によります。ノートだから必ず無効・有効とは決まりませんが、遺言として確実に残したい内容は、適式な遺言を別に整えることが実務上明確です。

今日の確認メモ

  • 本文・日付・氏名の自書と押印を確認する
  • 自書でない目録の全頁・両面を点検する
  • 本文と目録の対応を照合する
  • 訂正方式・共同遺言禁止・保管方法を確認する

根拠となる公式資料

[1] e-Gov法令検索「民法」

[2] 大阪法務局「遺言書を書いてみましょう!」

[3] 大阪府行政書士会「よくあるご質問」

[4] 法務省「民法等の一部を改正する法律(成年後見及び遺言の制度の見直し)」令和8年法律第45号・施行区分

制度確認日:2026年10月17日。日本の一般的な相続・遺言手続きを説明しています。事例・金額は説明用です。作成日・死亡日等による経過措置や個別の事情で結論は変わります。税務は税理士・税務署、登記は司法書士等、紛争・権利行使は弁護士にご確認ください。

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