まず押さえたいこと

2024年4月1日より前に相続し、その不動産の取得を知っていた場合も義務化の対象です。原則として2027年3月31日までの対応が必要です。すべての古い相続を一律にこの日とせず、取得を知った時期や登記の状態を確認します。[1][2]

最初の一歩:実家の登記事項証明書を確認し、現在の名義人と死亡日、不動産の取得を知った日を並べます。

この記事の目次

1.固定資産税を払っていても、名義は変わらない

説明用の例です。父が2015年に亡くなり、長男が実家に住み続けて税金も払っていました。本人は引き継いだつもりでしたが、登記を確認すると父の名前のままでした。納税者、居住者、登記名義人が同じとは限らないのです。

役所へ相続人代表の届出をしたことや、家族で口頭の了解をしたことも、相続登記の完了とは別です。最初に見るのは「誰が管理しているか」だけでなく、「登記に誰が記録されているか」です。

2.期限は、死亡日だけで決めない

基本的な登記義務は、自分のための相続開始と、その不動産の所有権を取得したことの両方を知った日から3年以内です。施行前の相続にも経過措置があり、2024年4月1日より前にその取得を知っていた典型例の期限が2027年3月31日となります。[2][3]

場面確認する期限・扱い
施行前に相続と取得を知っていた原則2027年3月31日まで
昔の相続だが、物件の取得を後で知った知った時期と経過措置を個別に確認
相続人申告登記の後に分割成立成立日から3年以内の追加の登記義務に注意
既に登記申請済み受付だけでなく完了内容・物件漏れを確認

3.祖父名義なら、相続を一段ずつ整理する

祖父の死亡後に父が亡くなっている場合、今の家族だけで祖父の財産の分け方を決められるとは限りません。祖父の相続に関わる人、父の相続に関わる人を、死亡の順序と戸籍で整理します。相続が重なるほど、必要な調査や連絡先が増えることがあります。

「父の兄弟は関係ないはず」と先に決めず、まず名義人から現在までの流れを図にします。古い協議書や遺言があれば、捨てずに確認資料へ加えてください。書類に署名した人が既に亡くなっている場合も、原本の意味を専門家と確かめます。

4.話合いが終わらないときは、登記の期限を別に管理する

遺産分割がまとまらないからといって、基本的な申請義務が自動的に止まるわけではありません。相続人申告登記は、不動産を取得した相続人が、相続人であること等を申し出て基本的な義務を簡易に履行するための制度です。[2]

ただし、申出人の持分や最終的な所有者を確定する登記ではなく、そのまま売却できる名義を整えるものでもありません。また、一人の申出で当然に全員の義務を果たすとは限りません。誰について申出を行い、その後に何を登記するかを司法書士等と確認します。

5.過料の数字より、必要資料の着手日を決める

正当な理由なく義務を怠ると10万円以下の過料の対象となります。ただし、期限の翌日に機械的に全員へ一律の過料が科されるという説明は適切ではありません。催告等の運用と正当な理由の判断があります。[2]

今できる準備は、物件一覧、名義人の死亡日、判明している相続人、遺言・協議書の有無をまとめることです。未取得の戸籍を全部そろえてから相談しようとすると時間を使います。分からない部分を空欄にした一覧でも、期限を含めた相談の入口になります。

よくある質問

売る予定がなくても登記は必要ですか。

売却予定の有無だけで申請義務がなくなるわけではありません。居住を続ける実家や利用していない土地も確認対象です。

2027年3月31日までに家族会議を開けばよいですか。

家族会議を開くことと登記義務の履行は別です。話合いの予定だけでなく、必要な登記・申出の方法と提出時期を確認します。

今日の確認メモ

  • 登記名義人と土地・建物を確認する
  • 古い協議書と遺言を探す
  • 相続ごとの関係者を分ける
  • 期限と、分割未了時の申出を司法書士等に確認する

根拠となる公式資料

[1] 法務省「相続登記の義務化」案内

[2] 法務省「相続登記の申請義務化について」

[3] 法務省「相続登記には期限があります」案内(PDF)

制度確認日:2026年10月17日。日本の一般的な相続・遺言手続きを説明しています。事例・金額は説明用です。作成日・死亡日等による経過措置や個別の事情で結論は変わります。税務は税理士・税務署、登記は司法書士等、紛争・権利行使は弁護士にご確認ください。

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