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調査と不動産 · 相続・遺言 実務特集 01 / 20
親の不動産、実家だけとは限りません|2026年開始の所有不動産記録証明制度の使い方
納税通知書が届かない土地や、昔の住所で登記された物件。新しい証明制度と手元の資料を組み合わせ、相続財産の見落としを減らします。
制度確認日:2026年10月17日 / はまなす行政書士事務所・私の相続 / 読了の目安:約6分
まず押さえたいこと
所有不動産記録証明制度は、指定した氏名・住所等をもとに、登記上の所有不動産を一覧にする制度です。2026年2月2日に始まりました。ただし、検索条件と登記の表記が違う物件や未登記の建物まで、必ず見つかるわけではありません。[1]
最初の一歩:親の「現在の住所」だけでなく、以前の住所・氏名と、それを確認できる資料を一枚にまとめます。
この記事の目次
1.「実家は知っている」で、調査を終えない
説明用の例です。長女が父の相続を進め、実家の土地と建物を目録に入れました。ところが、古い売買契約書には私道の持分があり、別の封筒には遠方の山林の通知が残っていました。住んでいた家と、登記されている財産の範囲は、同じとは限りません。
固定資産税の納税通知書は有力な手掛かりですが、それだけを全国の所有物件一覧と考えないことが出発点です。非課税の物件や他の自治体の物件、前の世代の名義のままの物件も意識して調べます。
2.新制度で分かること、分からないこと
この制度は、土地・建物を一筆・一棟ずつ指定して証明書を請求する従来の調査を補うものです。登記名義人本人のほか、相続人その他の一般承継人も請求できます。検索条件に対応した登記情報を一覧化するため、請求する人と調べる名義人を区別して準備します。[1]
| 資料・方法 | 主に分かること | それだけでは残る問題 |
|---|---|---|
| 所有不動産記録証明書 | 条件に合致する登記上の所有物件 | 旧住所・旧氏名など、条件の違いによる漏れ |
| 自治体の名寄帳等 | その自治体が把握する課税等の情報 | 全国一括の調査にはならない |
| 登記事項証明書 | 物件ごとの名義・持分・担保等 | 先に対象物件を特定する必要がある |
| 契約書・納税通知書・家族の話 | 購入経緯や所在地の手掛かり | 現在の登記内容と一致するとは限らない |
3.請求前に、住所の履歴を集める
登記簿に昔の住所が残っていれば、現在の住所だけを検索条件にしても、その物件が表示されないことがあります。転居の時期、旧姓、既に分かっている不動産の登記上の住所を整理してください。戸籍の附票や住民票の除票等で履歴をどこまで確認できるかも調べます。
本人確認や相続関係を示す書類、検索条件の記載方法は、最新の請求案内で確認します。条件の数や交付方法で手数料が変わるため、「全国を調べる料金は常に一律」と考えず、窓口・郵送・オンラインの方法と併せて見積もります。
4.証明書が届いた後にする四つの作業
一覧を受け取っただけでは、相続財産目録は完成しません。①手元の一覧と突合する、②新たに見つかった物件の登記を確認する、③土地と建物・共有持分を区別する、④相続登記の対象と期限を確認する、の順に進めます。
特に「所有権の持分は何分の何か」「親の単独名義か」「既に亡くなった祖父の名義か」は、その後の手続きに影響します。祖父名義の土地を父の氏名で検索しても、父の所有物件として現れるとは限りません。必要に応じて前の世代の相続調査へつなぎます。[2]
5.「該当なし」は、調査を終える合図ではない
検索結果が空欄でも、家族が土地の存在を具体的に知っているなら、所在地や地番、別の住所表記を確認します。未登記建物や名義未変更の不動産など、制度の検索範囲外にある可能性を残してください。
資料が食い違ったときは、どちらかを削除して帳尻を合わせるのではなく、目録に「要照合」と書きます。所在地・名義・取得経緯を司法書士や法務局等と確認し、分割や登記へ進む前に対象を確定させます。
よくある質問
相続人なら、親族以外の人の不動産も自由に検索できますか。
誰でも他人の不動産を一覧検索できる制度ではありません。請求資格と対象者との関係を示す資料が必要です。相続人であることは、関係のない第三者の調査資格にはなりません。
証明書を取れば、相続登記の義務を果たしたことになりますか。
なりません。財産を調べる証明書と、名義の変更・申告の手続きは別です。調査と並行して登記の期限を確認してください。
今日の確認メモ
- 旧住所・旧氏名の資料を探す
- 納税通知書、名寄帳等、契約書を突き合わせる
- 土地・建物・私道持分を分けて記録する
- 不明物件は消さずに要照合とする
根拠となる公式資料
制度確認日:2026年10月17日。日本の一般的な相続・遺言手続きを説明しています。事例・金額は説明用です。作成日・死亡日等による経過措置や個別の事情で結論は変わります。税務は税理士・税務署、登記は司法書士等、紛争・権利行使は弁護士にご確認ください。
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