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家族に合わせた遺言 · 相続・遺言 実務特集 11 / 20
孫に財産を残す遺言を作りたい|相続人かどうか・遺留分・税金を分けて考える
かわいい孫の学費や暮らしを支えたい。その気持ちを実際の引継ぎにつなげるために、孫の法的な立場と受取方法を先に整理します。
制度確認日:2026年10月17日 / はまなす行政書士事務所・私の相続 / 読了の目安:約6分
まず押さえたいこと
孫は、祖父母の相続で常に相続人になるわけではありません。代襲相続や養子縁組などの有無を確認します。相続人でない孫へも遺言による遺贈はできますが、遺留分、未成年者の手続き、相続税の2割加算等は別に検討します。[1][2]
最初の一歩:自分の子と孫の関係、孫に残したい財産、年齢、他の家族の生活資金を一枚に並べます。
この記事の目次
1.「孫だから相続人」とは限らない
説明用の例です。祖母は、長女の子である高校生の孫に300万円を残したいと考えています。長女は健在で、祖母と孫の養子縁組もありません。この場合、孫は通常、祖母の法定相続人ではありません。遺言で残す方法を検討することになります。
自分の子が先に亡くなっていて孫が代襲相続人になる場合や、養子縁組がある場合は整理が異なります。「孫」という呼び方だけで遺言の文言や税務上の扱いを決めないようにします。[1]
2.財産の内容と、引き渡し方を具体化する
現金を一定額残すのか、特定の預金を残すのか、不動産を残すのかで、実現の仕方と負担が変わります。例えば「学費に使ってほしい」という希望だけでは、受取人・金額・管理方法が明確にならない場合があります。
未成年の孫へ残す場合は、誰が手続きを進め、誰が財産を管理するかも確認します。親権者と孫の利益が対立する行為では特別代理人等の検討が必要になることがありますが、未成年への遺贈がすべて同じ手続きになるわけではありません。条件を付ける遺言は実行可能性も含めて専門家と設計します。
3.子どもや配偶者の遺留分と生活資金を見る
遺言で孫へ多く残しても、他の一定の相続人には遺留分の問題が残ります。遺留分を侵害した遺言が当然に全部無効になるわけではありませんが、金銭の請求が問題となり得ます(民法1042条以下)。[3]
「孫へ不動産、子へ預金」という配分も、預金を生活費で使ってしまうと、死亡時のバランスが変わります。遺言作成時の財産額だけでなく、自分の生活費・介護費、残る配偶者の資金、請求に対応できる金銭を確認します。
4.2割加算は「財産の20%を税金で引く」という意味ではない
国税庁は、一定の一親等の血族・配偶者以外が財産を取得する場合の相続税額の2割加算を案内しています。通常の遺贈で受け取る孫、孫養子などには注意が必要ですが、代襲相続人となった孫には例外があります。[2]
| 孫の立場 | 確認する税務上のポイント |
|---|---|
| 相続人でない孫が遺贈で取得 | 原則として税額の2割加算の対象 |
| 代襲相続人となって取得 | 2割加算の例外に該当するか確認 |
| 祖父母の養子となった孫 | 養子だから必ず加算なし、とはならない |
| そもそも相続税額が生じるか | 全体の財産・控除・取得内容等から判断 |
2割を掛ける対象は所定の相続税額であり、受け取った財産の金額そのものではありません。節税になるかどうかを孫への配分だけで断定せず、税理士へ全体の財産と家族構成を示して確認します。
5.親へ渡して孫へ回してもらう案とは区別する
「いったん子が相続し、その後で孫へ渡す」という方法は、祖父母から孫への遺贈と同じではありません。子から孫への移転で別の贈与等が問題となる可能性があり、約束どおり渡されるかという実行面も残ります。
誰に法的に取得させるのか、誰が管理するのか、いつ使えるようにするのかを分けて希望を書きます。遺言執行者の指定や、孫が先に亡くなった場合の扱いも含め、実際に手続きできる文面へ整えます。
よくある質問
孫へ残すなら、必ず養子にする必要がありますか。
養子縁組をしなくても遺贈を検討できます。養子縁組には家族関係・相続・税務への広い影響があり、遺言の代用として安易に行うものではありません。
「学費に」と書けば税金はかかりませんか。
使い道の希望を書くだけで相続税等が非課税になるわけではありません。税務上の制度と遺言の効力を分けて確認してください。
今日の確認メモ
- 孫が相続人となるか戸籍関係を確認する
- 受取財産と管理方法を決める
- 遺留分と他の家族の生活費を見る
- 2割加算等を税理士に確認する
根拠となる公式資料
[3] e-Gov法令検索「民法」
制度確認日:2026年10月17日。日本の一般的な相続・遺言手続きを説明しています。事例・金額は説明用です。作成日・死亡日等による経過措置や個別の事情で結論は変わります。税務は税理士・税務署、登記は司法書士等、紛争・権利行使は弁護士にご確認ください。
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