月末の点検で、計画書の交付日が空欄でした。「面談はした。署名もある。控えも渡したはず」。ところが、保護者からは「家にはありません」と言われる。こんなとき、署名日を交付欄に写したくなるかもしれません。最初にする仕事は、空欄を埋めることではなく、当時何が行われたかを分けて確かめることです。
交付を一組で残す
いつ、誰に、どの版を、どの方法で渡したか。保護者への交付と、担当の障害児相談支援事業者への交付は別々に確認します。署名があるだけでは、両方への交付を確認したことにはなりません。
保護者に渡したので完了、になっていませんか
国の運営基準では、作成した計画を保護者に加え、その保護者へ指定障害児相談支援を提供する者にも交付することが求められています。相談支援専門員から連絡が来たときだけ送る、という運用では交付が止まるおそれがあります。担当事業者があるかを確認し、必要な相手へ計画を届けましょう。
セルフプランなどで担当の相談支援事業者がない場合は、その状況を確認して残します。誰でもよいから別の事業所へ送ればよい、という意味ではありません。交付先の確認には、情報を必要な相手に届けるという役割もあります。
二つの交付先を、一つのチェックで閉じない
| 対象 | 記録例 | 確認すること |
|---|---|---|
| 保護者 | 10月10日、第2版本計画を面談時に手渡し。担当:○○ | 説明・同意の対象と渡した版が一致するか |
| 相談支援事業者 | 10月11日、担当事業所へ第2版本計画を所定の方法で交付。担当:○○ | 相手先、版、実施した方法を追えるか |
| 未了の交付 | 担当先へ未交付。担当:○○、確認予定:10月12日 | 未了事項を完了扱いにしていないか |
この日付は架空の管理例で、翌日まで猶予があると示すものではありません。作成後の交付が放置されないよう、説明・同意・確定から交付までを続けて進める段取りを組みます。管理表には「作成済み」だけでなく、「保護者交付」「相談支援交付」を別欄で置くと、残っている仕事が見えます。
空欄には、三つの違う事情がある
| 調べた結果 | 対応の考え方 |
|---|---|
| 渡した事実を、当時の記録で確認できた | 根拠と後日追記した日を残して記録を補う |
| 渡したかどうか、確認できない | 日付を推定で確定せず、不明な事実と今行った対応を分ける |
| 渡していなかった | 未交付の経過を記録し、必要な交付を実際の日付で行う |
手掛かりになるのは、面談記録、交付履歴、送付記録、当時の担当者の確認などです。記憶だけで日付を断定せず、確認の根拠と限界を残します。また、保護者が受け取った後に紛失した場合と、事業所が交付していなかった場合も区別します。再交付した日は、最初の交付日とは別の事実です。
後から書き足すなら「当時の日」と「追記の日」を分ける
例えば、10月20日の点検で空欄に気づき、10月10日の面談記録に第2版本計画の手渡しが明記されていた場合。追記するなら、「10月20日追記。10月10日の面談記録により、同日の保護者交付を確認」と、何を根拠に補ったかが分かる形にします。これは記録方法の例で、具体的な訂正は所内規程や指定権者の取扱いに従ってください。
資料がなく、当時の交付日を確認できなかったなら、10日に渡したことにしてはいけません。必要な説明を行い、現在の本計画を届け、実際に行った日の記録を残します。今の対応は今の対応として記録し、過去の問題が全て解消したとは扱わないことが大切です。
PDFを送った日と、説明・同意の日は別
電子交付を使う場合は、国の基準第83条の相手方の承諾等を踏まえ、相手が利用できる方法を選びます。送付する対象版と宛先を確認し、閲覧・保存できるかも確かめましょう。送信履歴だけで、計画内容への同意まで得たと判断しないようにします。
紙でも電子でも、渡すべきものは今回の確定した計画です。面談で支援目標を変更したのに、最初に印刷した原案を送っていないか。版を取り違えると、事業所と家庭と相談支援で、別の目標を見ながら話すことになります。
交付漏れが見つかったら、請求も自動で結論を出さない
交付欄が空欄というだけで、過去の請求が一律に減算になると断定することはできません。一方で、有効な計画や必要な作成手続が欠けたまま支援した場合は、個別支援計画未作成減算等の検討が必要になることがあります。
対象児童、対象期間、説明・同意・交付の実施状況、実際の支援、請求済みの月を管理者と児発管で整理し、指定権者へ確認します。保護者への説明と必要な対応も並行して進めます。請求ソフトが送信を受け付けたことは、計画作成の手続が適切だったことの確認にはなりません。
交付日は、事務の最後に押すスタンプのようなものではありません。家庭と相談支援が、同じ計画を持って支援に関われるようになったかを確かめる記録です。
参考:国の指定通所支援の運営基準・第27条、第71条、第83条/堺市「運営指導について」。資料確認日:2026年10月6日。児童発達支援・放課後等デイサービスを対象に解説しています。記録欄と事例は実務上の提案で、国が一律に指定する様式ではありません。指定権者の条例・指導資料も確認してください。
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