説明日は「サインをもらった日」ではありません――個別支援計画を保護者と子どもに伝える面談の作り方

紙の計画書とタブレットを使った説明と同意のイメージ

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送迎の時間に、計画書を差し出して「ここにサインをお願いします」。保護者は名前を書き、子どもは靴を履いて帰っていく。署名欄は埋まりました。でも、家庭で何を試すのか、園ではどんな支援をするのか、同じイメージを持てたでしょうか。説明日の記録は、書類を回収した日を示すためだけのものではありません。

この記事の要点
説明は内容を伝えて話し合う行為、同意はその内容を受け入れる意思表示です。両方を同日に行うことはあります。別日に行ったなら、それぞれの日付と経過を残します。

説明は、計画を「家庭でも分かる言葉」に変える時間

国の運営基準は、児発管が通所給付決定保護者と子どもに計画を説明し、文書による同意を得ることを求めています。署名があることと、必要な説明を行ったことは、確認する内容が異なります。面談の記録では、何を伝え、どんな質問があり、計画をどう扱ったかが読み取れるようにします。

例えば、計画に「環境調整により活動への参加を促す」と書いたとします。説明では、「朝の活動は、二つの遊びから選べるようにします。まず短い時間から始め、つらそうなときは休める場所へ移ります」と、実際の場面に置き換えます。専門用語を全部読むより、保護者が支援を思い浮かべられる説明にすることが大切です。

「分かりましたか」だけでは、分からない

保護者は、忙しい送迎の場では「はい」と答えるかもしれません。説明の後は、「ご家庭の様子と違うところはありますか」「この目標で、いちばん気になることはどこですか」と聞いてみます。理解を試す質問ではなく、事業所の見立てを確かめる質問です。

「家でも毎日練習してください」と書いていたところ、保護者から「夕方は下の子の世話で難しい」と話が出た。そこで家庭の課題を増やす案を見直し、事業所で取り組む内容を中心に修正する。こんな一往復に、面談の意味があります。修正した内容について改めて説明し、必要な検討を行い、同意する版を確定させます。

説明は10日、同意は12日。二つの事実を残す

架空の例です。10日に内容を説明した保護者から、「家族で相談してから返事をしたい」と言われ、12日に文書で同意を確認しました。この場合、説明日を12日に書き換える必要はありません。10日の説明、保留となった理由、12日にどの版への同意を確認したかを、つながる形で残します。

ただし、日付を記録すれば同意待ちの期間も新計画が完成したことになる、という意味ではありません。開始予定との関係を確認し、説明や同意が未了のまま運用する状態を避けるよう日程を調整します。返信が遅れそうな場合の連絡担当も決めておきましょう。

説明記録は、長さより「何が決まったか」

記録例読み取れること
第2版原案を保護者へ説明。目標Bについて家庭での取組負担の相談あり。対象版、説明相手、質問の内容
家庭で毎日取り組む案を見直し、事業所での支援方法を修正。修正内容を再説明。話合いが計画へ反映されたこと
変更後の内容について文書で同意を確認。本計画を確定し、控えを交付。同意対象と、その後の手続

実際の記録には日付、説明者、対象児童、確認方法を添えます。この例は記載の考え方を示したもので、定型文を毎回貼れば説明をした証明になるわけではありません。保護者の発言を全て書き起こす必要もなく、判断に関係した内容を具体的に残します。

子どもへの説明を、保護者への説明に埋め込まない

計画を理解する方法は、年齢や発達、特性によって違います。「座って聞いて」と求めるだけでなく、遊びの写真を見せる、二つの選択肢を示す、短い言葉で次の活動を知らせるなど、その子に伝わる方法を考えます。本人の意向を、保護者の希望だけで置き換えないことも大切です。

例えば、活動カードを見せると一つを選んだ、休憩場所には自分から移動した、といった観察を、職員の解釈と分けて記録します。年少の子どもに保護者と同じ署名を一律に求める、という話ではありません。本人へどう伝え、意向をどう確かめたかが支援につながります。

署名の後に、目標だけ書き換えていませんか

同意後に、目標、支援方法、時間など計画内容を変更するなら、署名済みの紙をそのまま新内容の同意の証拠にしないでください。変更に必要な検討・説明・同意・交付を確認します。単純な誤字の訂正と、支援内容の変更も区別し、変更点と経過を残しましょう。

面談の終わりに、「今回は何を試し、いつ振り返るか」を双方で確認できると、計画はファイルの中から現場へ出ていきます。説明日の横に残した短い記録が、次の担当者にもその意味を伝えてくれます。

参考:国の指定通所支援の運営基準・第27条、第71条、第83条/堺市「運営指導について」。資料確認日:2026年10月6日。児童発達支援・放課後等デイサービスを対象に解説しています。記録欄と事例は実務上の提案で、国が一律に指定する様式ではありません。指定権者の条例・指導資料も確認してください。

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