「更新の書類をお願いします。在留期限は来週です」。本人は自分で申請するつもりだった。会社も、それなら大丈夫だと思っていた。ところが必要な会社資料が揃わず、人事担当者が急いで経理に連絡する――。更新の直前になって、初めて会社の出番に気づくことがあります。
在留期間更新は、本人の手続であると同時に、現在の勤務先や仕事を説明する場面でもあります。本人の準備と会社の準備が、どこでつながるか。そこを決めておけば、直前の慌ただしさを減らせます。
会社が追うのは、三つの節目です。「必要資料が揃った」「申請受付を確認した」「結果と新しいカードを確認した」。本人が自分で申請する場合も、この三つを会社の担当者と共有します。本人の在留カードの期限だけを表に入れても、更新の進み具合までは分かりません。
以下は主に技術・人文知識・国際業務の社員を想定した整理です。在留資格や会社の区分によって必要資料は異なります。
確認したい箇所から読む:
期限の四か月前に、一度声をかける
会社が準備するものは、会社の区分と仕事で変わる
期限を過ぎたら、特例期間の条件と終わりを確認する
期限の四か月前に、一度声をかける
6か月以上の在留期間を持つ方の更新申請は、原則として在留期間満了の約3か月前から受け付けられます。ただし、受付が始まる日と、準備を始める日は同じでなくて構いません。会社の管理として、四か月前に本人へ確認する流れが考えられます。これは法定の四か月前義務ではなく、余裕を作るための実務例です。
| 時期の目安 | 会社と本人で確認すること |
|---|---|
| 期限の四か月前 | 在留カード、満了日、担当者、現在の仕事内容を確認 |
| 申請可能時期に入る前後 | 最新の提出書類一覧から、本人資料と会社資料を分担 |
| 申請した後 | 受付日・受付番号、追加資料の依頼、結果を確認 |
| 許可・新カード受領後 | 新しい期限と就労制限等を確認し、管理記録を更新 |
担当者が休職・退職しても分かるよう、期限と進捗は共有できる管理表に残します。ただし、在留カードや課税資料を広く閲覧できる場所に置く必要はありません。個人情報は目的に必要な範囲で管理します。
会社が準備するものは、会社の区分と仕事で変わる
技人国の提出書類は、所属機関のカテゴリーによって異なります。会社の区分を示す資料、雇用条件や活動内容を示す資料、会社の事業・決算に関する資料などについて、該当する最新の一覧で要否を確認します。すべての会社が、いつも同じ一式を出すわけではありません。
ここでいうカテゴリーは、入管の提出書類を分ける勤務先の区分です。社員本人の等級や、在留資格の優劣ではありません。上場の有無や法定調書合計表等、公式案内の条件で確認します。「うちは小さな会社だからカテゴリー4」と、従業員数だけで決めないようにしてください。
| 準備の担当 | 資料・確認の例 |
|---|---|
| 本人 | 旅券、在留カード、申請に必要な写真、該当する課税・納税資料等 |
| 会社 | 該当カテゴリーの確認資料、労働条件通知書等、職務の説明、必要な事業・決算資料等 |
| 本人と会社 | 転職・異動の有無、実際の業務、申請方法、追加資料への対応先 |
転職後初めての更新なら、前の会社での更新と同じ準備で足りるかを確認します。職務内容が変わっているなら、雇用契約の職種名だけで済ませず、実際に行う仕事を説明できる資料を用意します。会社のカテゴリーが前回と同じかも、思い込みで決めないようにしましょう。
2026年の変更を「全員に追加」と読まない
2026年4月15日以降、技人国のカテゴリー3・4について、所属機関の代表者に関する申告書などの追加資料が案内されています。また、翻訳・通訳やホテルのフロント等、主に言語能力を用いる対人業務では、業務で使用する言語についてCEFR・B2相当の能力を示す資料が問題になる場合があります。
更新でも、転職や配置転換によって新たにそのような業務に従事する場合は確認が必要です。一方、従来と同じ業務を継続する更新では、言語能力の資料は通常求めないと案内されており、審査上必要な場合には提出を求められることがあります。「外国人社員全員のN2証明を集める」という読み方は適切ではありません。申請直前に、該当する欄と注記まで確認しましょう。
「申請の準備中」と「申請を受け付けられた」は違う
書類を集めている、行政書士に相談した、オンラインの入力を始めた。それだけでは、更新申請が受け付けられたことにはなりません。会社の管理表にも「準備中」「申請済み」「追加資料対応中」「許可・新カード確認済み」を分けて記録すると、状況を共有しやすくなります。
| 本人からの連絡 | 会社の確認の仕方 |
|---|---|
| 「書類は出しました」 | 会社資料を本人へ渡した段階か、入管で受付が完了した段階かを確かめる |
| 「追加の書類が必要です」 | 依頼された資料名、提出期限、担当者を共有する |
| 「許可になりました」 | 新しい在留カードの受領予定と、受領後の確認日を決める |
更新の管理表には、「次は誰が何をするか」も一行残します。本人へ資料を渡した後、会社が待つ連絡を決めておけば、申請したつもり・確認したつもりの行き違いを減らせます。
オンライン申請では、在留期限の最終日当日に申請できません。入管の公式Q&Aは、その場合は管轄内の地方出入国在留管理官署で申請するよう案内しています。「ネットなら夜まで間に合う」と考えず、受付完了を早めに確認してください。期限を過ぎてしまった場合は、速やかに管轄の入管へ相談が必要です。
期限を過ぎたら、特例期間の条件と終わりを確認する
期限内に対象となる更新・変更申請を行い、満了日までに処分がされない場合には、従前の在留資格で在留し、従前の活動を行える特例期間があります。申請に対する処分がされる時と、元の満了日から2か月が経過する日の終了時の、どちらか早い時までです。誰でも無条件に2か月延びる制度ではありません。
また、この期間に認められるのは従前の活動です。変更申請中だからという理由で、許可前に新しい在留資格の活動を始められるわけではありません。適用の有無は本人の在留状況と申請内容で確認します。
窓口申請では在留カード裏面の申請中の記載を確認します。オンライン申請の場合は通常その押印がなく、公式Q&Aでは、在留カードに加えて申請受付番号が記載されたメールを携行するよう案内しています。会社も、必要な範囲で受付情報と結果を確認し、本人の「申請中です」という口頭説明だけで管理を終えないようにします。
更新の終わりは、申請日ではなく新しいカードの確認
許可の知らせが来ても、新しいカードをまだ受け取っていない場合があります。受領後の在留資格、期限、就労制限等を確認し、次の期限を登録して、一つの更新業務を終えます。追加資料の依頼や不許可等の結果が出たときも、会社が状況を把握できる連絡ルールが必要です。
本人に任せること自体が問題なのではありません。本人にしか分からない進捗と、会社にしか出せない資料をつなぐ仕組みを作る。それが、更新のたびに慌てないための土台になります。
雇用後の確認も、はまなす行政書士事務所へ
既に外国人社員を雇用している会社からのご相談も承ります。在留資格・期限、雇用契約、実際の仕事内容を整理し、必要な入管手続と準備する資料を検討します。資料が揃っていない場合も、まず現在の状況をお知らせください。
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根拠・参考資料
出入国在留管理庁等の公式資料をもとに、2026年10月6日時点の情報で整理しています。表の進め方や確認例は、法定義務そのものではなく、会社での実務管理の提案です。冒頭の事例は説明のための架空の例です。
「技術・人文知識・国際業務」在留期間更新許可申請の提出書類一覧


