書類作成の記事一覧へ | 01/10
まず、子どもの生活から一つの場面を選びましょう。「いつ、何を、どう手伝うか」が決まると、計画書を書き始められます。
「身辺自立を促す」で、手が止まった
4歳のそうたさんは、来所すると遊具へまっすぐ向かいます。でも、かばんを棚に置く場面では足が止まります。
「朝、つい急かしてしまうんです」。保護者の言葉を聞いた職員は、計画書に「身辺自立を促す」と書きました。そこで、ペンが止まります。これを読んだ明日の担当者は、何をすればよいのでしょう。
答えの手がかりは、すぐそばにありました。棚にかばんの写真を置くと、そうたさんは写真を見て近づきます。「ここに置こう」と短く伝えると、かばんを棚に置けました。
「できるようにしたい」を、ひと場面にする
「自分で支度できるように」という願いを、まず「来所したら、かばんを棚に置く」という場面に絞ります。次に、その場面で役立った写真と声かけを書きます。これで、計画の骨組みができます。
| 決めること | そうたさんの場合 |
|---|---|
| いつ | 来所して、遊びを始める前。 |
| 何を目指す | 写真を見て、かばんを棚に置く。 |
| どう手伝う | 置き場所を示し、一つずつ短く伝える。 |
| 何を確かめる | どんな手助けで動けたか、本人は落ち着いていたか。 |
そのまま書くと、こんな計画になる
目標の文例
来所したら、棚の写真を手がかりに、かばんを置いて遊びへ向かう。3か月後に、取り組めた場面と必要な手助けを確認する。
支援の文例
職員は、棚に本人のかばんの写真を掲示する。来所時に写真を一緒に見て、「ここに置こう」と伝える。本人が動き始めたら待つ。疲れている日は必要な部分を手伝い、落ち着いて遊びを始められるようにする。
振り返りの文例
来所時の様子を記録する。写真だけで動けたか、声かけが必要だったか、どの部分を手伝ったかを残す。本人の表情や休みたい様子も確認し、月ごとに支援方法を振り返る。
「自分で全部できたか」だけを見るより、役立った手助けが分かります。写真を大きくすると動きやすくなったなら、それも次の支援につながる大切な変化です。
説明の時間に、家族の暮らしを聞く
保護者には、こう伝えられます。「事業所では、写真を使って朝の支度を進めます。ご家庭で使えそうな工夫があれば、一緒に選びましょう」。
毎朝の練習を増やす前に、家庭の時間や負担を聞きます。子どもにも写真や実物で伝え、選び方、表情、近づく・離れる動作から気持ちを確かめます。支度を終えることと、安心して一日を始めることを一緒に考えます。
完成までの手順を、最後に確認する
流れをひと目で
面談・観察 → 原案を作る → 担当者の会議 → 説明・文書同意 → 交付して実施 → 様子を確かめて見直す
まず一場面を具体的に書き、その後、計画全体を整えます。本人支援の5領域との関連、家族支援、移行支援も確認しましょう。
- 明日の職員が、準備する物と声かけを想像できる。
- 本人と家族の希望が、目標につながっている。
- どの場面を、いつ振り返るかが分かる。
よくある質問|保護者が「一人で全部できるように」と希望したら?
その願いを受け止め、本人が取り組みやすい一つの動作から相談します。「まず、写真を見てかばんを置くところから始めましょう」と具体的に伝えると、支援のイメージを共有できます。
制度の確認
計画の手順
基準第27条では、児発管によるアセスメント、原案の作成、担当者等の会議、子どもと保護者への説明、保護者の文書同意、保護者と当該指定障害児相談支援事業者への交付を定めています。少なくとも6か月に1回以上見直し、必要に応じて変更します。[資料]
計画全体の確認
本人支援全体で5領域との関連を記載し、家族支援・移行支援を整理します。地域支援・地域連携は必要に応じて記載します。本文の3か月という期間は作成見本です。[資料]
事例・氏名・回数は架空の作成見本です。文例は本人の状態と希望に合わせて調整してください。資料確認:2026年10月4日。文章・表示改訂:2026年10月5日。
参考にした公的資料
厚生労働省「児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準」第27条
こども家庭庁「個別支援計画の記載のポイント」(令和6年5月17日)
こども家庭庁「障害児支援におけるこどもの意思の尊重・最善の利益の優先考慮の手引き」(令和6年8月)
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