目標の書き方が分かる、三つの小さな生活場面

活動カードを選ぶ子どもを見守る支援者と、計画・観察ノートのイメージ

書類作成の記事一覧へ | 04/10

目標には、子どもが生活の中で使う姿を書きましょう。「どこで」「どんな支えを使って」「何をするか」を入れると具体的になります。

「コミュニケーションを伸ばす」の、その先へ

会議で「コミュニケーションを伸ばそう」と決まりました。職員はうなずきましたが、翌日の準備で迷います。カードを作るのか、言葉を練習するのか。

そこで、自由遊びの始まりを思い出します。子どもが電車に手を伸ばした場面です。「遊びたい物を伝える」なら、明日の支援が見えてきます。

大きな願いを、一つの生活場面へ近づけてみましょう。以下の期間や評価方法は作成見本です。本人の様子と希望に合わせて調整します。

文例① 遊びたい物を伝える

目標

自由遊びの始まりに、実物や写真を手がかりに、遊びたい物を本人なりの方法で伝え、選んだ遊びを始める。3か月後に、伝え方と必要な手助けを確認する。

支援・記録

職員は、興味のある遊具を二つ提示する。視線、指さし、手渡し、言葉などの反応を受け止め、選んだ物を確認して渡す。何を見せたか、どう伝えたか、確認後にどう遊んだかを記録する。

本人が使っている身ぶりや写真も、伝えるための力です。生活の中で使える方法を増やしていきます。

文例② 自分に合う形で参加する

目標

音楽遊びの始まりと終わりを写真で確認し、本人が選んだ方法で活動に関わる。2か月後に、参加の仕方と負担の様子を確認する。

支援・記録

職員は、楽器を鳴らす、近くで見る、少し離れて聞くという方法を提示する。音量と場所を調整し、休憩も選べるようにする。選んだ方法、表情、休憩、再び参加した様子を記録する。

「今日は少し離れて聞いたら、笑顔が見られた」。そんな場面からも、次の支援を考えられます。座った時間とあわせて、本人がどう経験したかを確かめます。

文例③ 帰りの支度を進める

目標

帰りの支度で、手順の写真を手がかりに水筒をかばんへ入れ、必要な手助けを伝える。3か月後に、使った手がかりと手助けを確認する。

支援・記録

職員は、かばんの口を開け、水筒を取りやすい位置に置く。写真を一緒に見て動作を待つ。難しい部分は援助の希望を確認して手伝う。写真のみ、声かけ、動作の手助けのどの条件で取り組めたかを記録する。

道具や置き場所を整えることも支援です。「自分で動く」と「必要な助けを伝える」を、一緒に育てられます。

回数を使うなら、何を一回と数えるか決める

「5回中4回できた」と書くときは、その5回がどんな場面だったかをそろえます。手助けの量も一緒に記録しましょう。

そろえること遊びを選ぶ目標なら
機会遊びの始まりに、選べる提示を行った場面。
確認する姿本人の反応を確かめ、選んだ遊びにつながった。
支援の条件実物二つと、確認の声かけを使用した。

回数が安定しにくい場面は、具体的な出来事と援助の変化を文章で残す方法もあります。数字を使うかどうかは、目標を確かめやすい方法から選びます。

よくある質問|「機会を増やす」という目標は曖昧ですか?

始める前の様子と、確かめる場面・条件を書いておくと変化を説明できます。「何を見せ、本人がどう反応し、どんな援助があったか」をそろえて振り返りましょう。

目標と評価の決め方
国の記載のポイントは、具体的な目標、達成時期、支援内容などの整理を示しています。期間や回数は本人の状況に合わせます。基準が、すべての目標に数値の達成率を求めているわけではありません。[資料][資料]

本人の希望
目標づくりでも、本人の意思と最善の利益を考えます。家族の希望と本人の反応を確かめ、取り組みやすい一歩を選びます。[資料]

事例・氏名・回数は架空の作成見本です。文例は本人の状態と希望に合わせて調整してください。資料確認:2026年10月4日。文章・表示改訂:2026年10月5日。

参考にした公的資料

厚生労働省「児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準」第27条

こども家庭庁「個別支援計画の記載のポイント」(令和6年5月17日)

こども家庭庁「障害児支援におけるこどもの意思の尊重・最善の利益の優先考慮の手引き」(令和6年8月)

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